「お天気お姉さんみたい」容姿で決めつけられた勝手なイメージ

わたしは学生時代から、初対面の人やあまり深い関係性でない人たちに、勘違いをされがちだ。
例えば、スポーツが得意な活発で日焼けしているタイプではなく、背が高く黒髪であるため、「おしとやか」「クール」といった印象を持たれやすい。学生時代のクラスメイト全員と新学期初日に話すことはもちろん不可能なので、わたしのほんとうの性格をわかってもらうことは、無理だとはわかっている。
大学生時代にいたっては、通学に着ていた服がパンプスにスカートだったため、「アナウンサー」や「お天気おねえさん」みたいだと思われ、気軽にあだ名や下の名前で呼んでくれる人は少なかった。周りを見渡してみると、ストリート系やカジュアルなファッションが多かったため、みんなに少しでも馴染めるように、ジーンズやスニーカーを履いて、親近感を持ってもらえるように服装から変えてみた。また、たしかに、ポーカーフェイスだという自覚はある。そのため、ミステリアスで近づきにくいイメージを与えてしまいがちだ。
社会人になって、学生時代とは全く異なる環境に身をおくようになり、今までとは周りの人たちも変わったため、以前、お嬢さまやアナウンサーのイメージを持たれていたことを知っている人はいない。そうなると今度は、もう少し近づきがたい、高嶺の花のようなイメージをもってくれてもいいのになぁ、と感じてしまうこともある。
最近、通勤時間で読んでいた本に、ついはっとさせられた。昭和女子大学総長・理事長の坂東眞理子さんの著書、「思い込みにとらわれない生き方」の中で『アンコンシャス・バイアス』という言葉を知ったのだ。アンコンシャス・バイアスとは「無意識の思い込み」のことを指すそうで、人間ならだれでも持っているものであるようだ。
アンコンシャス・バイアスを認知できている、理性的な人間はなかなかいないため、多くの人が過去の経験や一昔前のふつうを他人に押し付けてしまいがちだ。わたしも彼氏に対して、よく「男の子って○○だよね」や「男の子はしないイメージだけど、女の子たちは△△するんだよ」というような表現を使ってしまっているなぁ、とこの本を読んで気付いた。こういう表現をLINEのメッセージや会って話したときに言ったときは、会話のネタのひとつだ、というくらいにしか捉えていないが、彼氏を彼氏として接する以前に、「男の子ならきっとこう思うだろう」や「男の子ならこうあるべき」ということを無意識に押し付けてしまっているのではないか、と考えさせられた。
本の中でも「男女の両方が持つジェンダー・バイアス」について言及されていた。日本のジェンダー・ギャップ指数は、世界146カ国中116位だそうだ。わたしもこの低すぎる順位にまったく加担していないとは言いきれない。自分自身も、やはり『色メガネ』を通して他人をついつい見てしまっているのだな、と感じた。
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