理性で付き合う私の、好きになる時の気持ちは理性じゃ説明できない

一目惚れって何だろう。実のところ、私は異性に対して一目惚れをしたことがない。
しかし、物に対する一目惚れならある。例えば今日被っているこの帽子。ブラウン生地に淡いブルーの英数字がよく映えて、とても可愛い。店頭で見た瞬間、迷うことなくレジへ直行した代物で、この可愛さに値段はあってないようなものだと感じて即座に買い上げた。
他にも、モネの睡蓮を見た時の感動は忘れられない。あの優しい色使いから織りなされる奥深くて繊細な可愛らしい睡蓮たち。この絵画をいつでも眺めていたい!と思って、金欠にも関わらず小さい複製画を購入した。
もちろん物だけじゃない。同性の友達にもある。現在でも仲のいい友達は、たいてい私の「可愛い……!!この子と友達になりたい!!」という一目惚れから関係が始まっている。どうにかその子と友達になりたくて、さんざんアタックしたものだ。
しかしながら、異性となると、まるでないのだ。
顔を見て、かっこいいなと思っても好きには直結しない。実際、今まで付き合って来た人もたいていは押されて付き合ってきた。顔が好みじゃなくても、関係性を築いていく中でその人の素敵な面を発見し、気づいたら好きになっているパターンが多かったのだ。
というか、異性に関しては、好きになったらどんな顔でもかっこよく見えるのだ。最初の顔がタイプじゃなかった気持ちは忘れ、どんな時でもかっこいい!かわいい!と思うようになってしまうのだ。
まったく人間は不思議だ。この場合は、女だけに当てはまるのだろうか。それとも、私だけだろうか。とにかく私は、好きになるたび、その人が一番かっこよく見えるのだ。ある意味、一番幸せな形かもしれない。
異性に一目惚れしない私は、気が付いた。もしかしたら異性を好きになるとき、顔以外の要素も見て、総合力で判断しているのではないか、と。
私が勝手に感じているだけだが、基本的に女の人は、総合力な気がする。
例えば、付き合うために10ポイント必要だとする。その時、顔の要素は1ポイントに過ぎず、その他の財力、包容力、優しさ……などもそれぞれ1ポイントとして換算され、その合計点を見て付き合うのだ。少なくとも私はそうだ。
ある要素が占める割合が、1ポイントの人もいれば3ポイントの人もいるかもしれないが、女の人はそこまで一つの要素が大きな点数を持つことはない気がする。男の人は、これも私の偏見だが、可愛いという見た目の要素がかなり大きなポイントを占めている気がする。
ここまで、あまりにも私の持論すぎて、色々な方から非難されそうだが、あくまで私の経験から導かれた考え方で、全員が全員そうじゃないことはもちろんわかっている。他の人の考え方も、ぜひ聞いてみたい。
というか今までの話は、付き合う時の判断の仕方であり、好きになるかどうか、一目惚れするかどうかの論点から大きくズレれていた。
そもそも一目惚れなんて心でするもので、理性でどうこう説明できるものではない。
私も一度は異性に一目惚れしてみたいなあ、なんて思う。いつもポイント制で付き合っている自分がまったく嫌になる。女の人は誰だって、劇的でロマンティックな恋愛にあこがれるものだ。いつかいつかと夢見ながら、結局私は地に足着いた好きのなり方しか知らないのだが。
でも、そんな私でもいいと思う。一目惚れを知らなくても、理性で付き合っても構わない。だって、そのあとの好きになった気持ちは、嘘じゃない。この気持ちは、理性なんかじゃ説明できない、心で感じる私の好きだと、断言できる。
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