「若い子は全然選挙に行かないよね。ちゃんと行ってる?ダメだよ、行かなきゃ」

選挙が近づくと歳上の人からよくこの言葉を言われるようになる。

若年層の得票率が低いというニュースも目にするようになるため、多くの人が若者は選挙に行かないと認識しているのだろう。 私は若年層に含まれる年齢であるため、その認識から選挙に行くよう説得されているのだろうと感じる。

私は選挙に行かないなんて言っていないのに。 

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私は選挙にはきちんと行く派だ。

選挙とは、その国の代表者を選ぶことであると私は思っている。 自分が住む国であるから、満足していることもあれば、不満もある。私の中でのその比率は最近不満の方が大きいのだが、それでも私は日本という国が好きだ。日本文化が好きだし、日本の歴史や伝統が好きだ。 だからこそ、より良い国になってほしいと思っており、より良い国へ導いていくことができる人がこの国の代表者となってほしいと思っている。

ただ、良い国の定義は人によって異なり、重視するポイントも人それぞれだ。国民のその異なる考えを可視化する手段として選挙の票数は重要だと考えている。

さらに、私は株式投資に興味があってコツコツと勉強している。

投資の世界は日本情勢や世界情勢が大きく影響する。以前のアメリカでの大統領選も、誰が大統領になるかで力を入れる方面が変わり株価に影響してくるため、大注目していた。 日本の選挙は大統領選ほど株の世界に大きく影響を及ぼさないが、それでも同様に日本社会が少し変わる場面であるから、注目している。

それらの理由から、私は選挙には行くべきだと考えているし、選挙には行く人だ。

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しかし、仕事などの都合上、選挙へ行けないことはある。

私の仕事はシフト制で、土日祝関係なく出勤する。選挙の日が出勤日と被ることもあり、その時は投票に行くことができない。 投票日が出勤と分かったら期日前投票に行くようにしているが、私の住んでいるところは田舎であり、期日前投票ができる場所は少なく、またその場所も家からは遠い。

期日前投票に行くのは正直かなり面倒くさい。選挙は大事だと思っているし、行く気もあるのだが、選挙のシステムには改善の余地が多くあるように思う。投票の仕組みは長年変わっておらず、このテクノロジーが発達した時代に最適とは言えないのではないかと。 

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現代を生きる人々は仕事や子育て、介護などで日々忙しく過ごしている。

若年層の投票率が低いと問題視されているが、不景気な高齢社会で選挙日に選挙へ行く時間を確保できない若者が大勢いることも要因の一つと言えると思う。 期日前投票にしても、私が暮らすような田舎ではわざわざ遠くの市役所まで行かなければならない。時間と交通費を考えると行くのが億劫になることは否めない。

周りの20代の多くは、選挙に行く時間がもったいないと言う。今時のタイムパフォーマンス重視の考え方だ。 実際、私もわざわざ外に出る準備をして投票所に行くのは面倒だ。期日前投票においては、忘れることもたまにある。投票への負担が減るよう、ネット投票などの仕組みも確立されてほしいと思う。

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若い子は選挙に行かないと思われ、何かと批判されがちだが、若いからこそこの国で過ごす時間は長い。海外移住の希望もない私は、この先何十年とこの国で過ごしたいと思っている。自分の票が国を動かすとは思っていないけれど、少しずつでも自分の考える良い国に近づいてほしいと願い、私は選挙へ行く。