生活の質を向上させた、コロナ禍のショッピングモールでの出会い

私には、大好きなキャラクターがいます。それはとある絵本の作品に登場するキャラであり、作品自体が世代を超えた幅広い年齢層に人気があるのですが、私は大人になるまでその作品の存在を全く知りませんでした。
私の家には幼児向けの絵本を読み聞かせするような習慣がなかったため、自ずとそういった物に触れる機会がなかったのです。
しかし、周りの友人に聞いてみると意外と知っている事が多かったため、その文化の違いに当初は愕然としたものでした。
そのキャラクターとの初めての出会いは、今から約四年前、ちょうどコロナの渦中にある時でした。
中々外出をする事ができず、思うように会いたい人と会う事もできない。日々フラストレーションが溜まっていく中で、私はその時隣町のショッピングモールに家族と共に赴きました。
やはり店内には活気がなくガランとしていましたが、久しぶりの外出であった事もあり、日頃の鬱憤を晴らすという意味もあってか、普段だったらまず買わないような物までほとんど爆買いのような感じでどんどんかごの中に入れていた記憶があります。
そんな中で立ち寄ったある雑貨屋にて私はそのキャラクターとの運命の出会いを果たす事となるのです。
チラッとそのぬいぐるみが目に入った瞬間、私の視線はその場所に釘付けになりました。
え、何この子……こんなの初めて見た。
そのまま思わず手に取ると肌触りが良く、全体的にふわふわとしており、何ともいえない優しい感触をしています。
水色がベースとなっており、動物の形をしていますが顔はにっこりと微笑みを湛え、この上ない柔和な表情をしていました。
そう、まるでこちらを全て包んでくれるような温かさがそのぬいぐるみにはあったのです。
これはもうほとんど一目惚れであったと思います。
その時は帰宅の時間ギリギリであったため、泣く泣く購入までにはいかなかったのですが、帰宅してからというもの、私はあの店で見た愛らしいぬいぐるみの事で頭がいっぱいになりました。
ネットサーフィンをして調べてみると、どうやらあのキャラクターは人気の絵本の長寿作品であるらしいという事が分かり、逆にどうして私は今まであんなに自分の好みにぴったり合う存在を知らなかったのかと心から悔やみました。
幸いにもあの時店頭で見た物と同じ商品がネット上でも取り扱いがあったため、その後即座に購入。数日後に届いてからというもの、現在に至るまで私はその子たちの虜になっています。
その作品には何体かその動物が登場するため、日々追加購入を重ね、現在では十匹を超えるそのキャラクターのぬいぐるみが我が家には鎮座しています。
そして、やはりハマるとそれだけには留まる事ができません。そのキャラクターを好きになってからというもの、書籍は勿論として、それに関連するグッズは基本ほとんど買い揃えるようになってしまいました。
かなり昔の作品にも関わらず、ほぼ毎月何かしらの新しいグッズ展開があるため、やはりそれだけ世代を超えたファンが数多く存在するのだなぁとその人気をしみじみと思い知らされます。
財布の紐は痛いですが、グッズが増える度に幸福感もその数倍感じる事ができるので、きっとこれもまた一興なのでしょうね。
正直、私はこれまで生きてきた中であ、これ可愛いな〜と思う事があっても熱しやすく冷めやすい性質が災いし、そこまで一つの物を継続して好きになる事はありませんでした。
コロナ禍という普段より様々な物が制限されていた環境ももしかしたら少しは関係していたのかもしれません。
しかし、それにしても私はこんなにハマる事のできる作品、キャラクターに出会う事ができて生活の質をとても充実した物に上げる事ができたように思います。
これはほぼ一目惚れから始まった出会いといっても過言ではありませんが、人生、本当にどこでどんな物に出会うのか計り知れないものですね。
これから先もジャンルを問わず自分の心惹かれるような存在に出会える事を期待して、日々を過ごしていきたいと感じました。
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