私は、生まれてからずっと実家住まいだ。実家暮らしが、恥ずかしいと思った事もあったし、一人暮らししてみたいと何度か思った。

友人や知人から、「実家から、出た方がいい」とか「一人暮らしは良いよ」と言われた事もある。それでも私は、実家から出る事が出来ない。理由は、三つある。

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一つ目は、資金面で不安があるからだ。

学歴は高卒、これといった資格もなく、過ごしてきた私。最近、介護福祉士の資格を取得したものの大幅な収入アップにはならなかった。

また、福祉職に従事していると夜勤や不規則勤務で働かれている方もいるが、体と精神に不調が来た為断念し、日中の決まった時間で働いている。やはり、その分手当も出ないので給与も少なくなる。

少ない給与では貯金もままならず、生活費に毎月消えていく。また、浪費癖もあり、後払いを使ってしまう為、後々ツケが周り金欠状態になる。

自業自得だが、仕事のストレスや娯楽を理由についついお金を使ってしまい、いつの間にか給料日までギリギリの生活になってしまう。

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二つ目は、家族の病気の事だ。

家族内に重い病を抱えた人が数名いて、通院の付き添い、家事等をやらなければならない。生活費も、ほぼ実家に入れている。少ない給与だが、生活費の足しにはなっていると思う。

病気を抱えた家族の体や精神のサポートも、必要である為、色々なことに気配りしながら家族を支えて行けるようにしなければならない。

正直、自身も身体、精神面で健康とは言えないが、症状の重い家族の為出来るだけ寄り添って、力になっていきたいと思っている。

私に出来る事を、家族が生きているうちにやってあげたいと心から思う。私は、友人もほぼおらず、家族と過ごすことが多い為特にそう思う。

私は、自分の為、家族の為にもそばにいてあげたいのが、現在の素直な気持ちだ。

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三つ目は、自分の精神面が不安定な事だ。

仕事、人間関係が学生の頃から上手くいっていない私は、鬱病、適応障害と診断された。辛い、苦しいと感じる事も多々ある。私なんかいなければ良かったと何度も、思った。

そんな状況の中で、家族だけは私が大切で、一緒にいたいと私を見捨てなかった。

私にとって、家族とは自分の命より大事な存在だ。離れたくても、離れられない。

これが世に言う、共依存とか子供部屋おばさんとか言われる状態なのかもしれないとも思う。だが、私の考えはどうしても変えられない。甘えだとか、依存的だとか言われても今は家族と一緒に過ごすのが心も体も幸せだ。

しかし、いずれどんな形にせよ家族との別れの時が来るだろう。その時、立ち上がれなくならないように心構えと生きていく力を身につけておかなければならないと思う。

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人間は、生まれた時は出会いの始まりだが、死ぬ時は、一人である。

自らが死を迎えるその瞬間も、大切な人との別れの瞬間も、後悔しない選択で自分らしく生きていきたい。

一人暮らしをしたくない言い訳に聞こえるかもしれないが、出来るだけ本当に大切な人との時間を長く過ごしたいと本当に思っている。

自分が家族に負担になる、自分にパートナーが出来た際は、家を出る時も来るだろう。もし、離れてしまっても家族の繋がりは深くありたいと思う。

私は、家族に感謝を示し、人の為に行動できる生き方をしていきたい。