「お金=心のゆとり」だから私はナースになった。それなのに

お金を人の性格で表すとかなり、ツンデレだと思う。
働いている全社会の歯車たちが喜ぶもの、それは〝お金〟ツンデレなお金くんには、年2回の大デレ(ボーナス)と月1回月末にくる小さなデレ(給与)がある。週40時間以上働いて、クタクタになってからようやく出会える彼。飴と鞭の使い分けが大変上手であり、私は上手くお金くんに転がされながら生活をしている。
普段はツンデレというよりツンドラのお金くん。
なんて言ったって、物価高。食べ物は勿論、ガソリンも支援が消えて価格が上がり働けど働けど愛しの彼は増えず。貧しい生活を余儀なくされる日々だ。
そんな私は、今年で3年目の20代看護師だ。憧れ(夢)と打算(金)で選んだこの仕事。
理想ばかりではお腹は膨れないし、生活は満たされない。現実を生きるのには、お金が必要だから。
進路を決めた際、人の生死に関わる仕事に就けば高給取りになれると思っていた。国家資格のため、将来は給与も高くお金の心配はせずに定年まで食いっぱぐれないでいられる。なんて良い仕事なんだ!なーんて、考えが足りていない安直な学生だった。
シオシオになるくらい必死に働いてもらった給与明細を見て、えっ?と思わず声を出してしまった。流石に嘘だろう、嘘だと言ってくれ……。
引かれる金額の大きさと、手取りの現実。初任給の驚きの低さに、私は漠然と自分の人生に不安を感じた。
生きるのには、お金が必要だ。
何とか税、何とか費と理由をつけて国に取られるお金。1日3回プラスα生きているだけでお腹が空くのでかかる食事代や家賃光熱費。社会人としての体裁を保つ為の身なりを整える金、コミュニケーションを円滑にする飲み代食事代など。
嫌でも差し引かれた金を除くと、自分の手元に残るお金のなんと少ない事か。子供の頃の私だったら自由に使えるお金の少なさにワァと声を出して泣いていた事だろう。
私は、自由に使えるお金=心のゆとりと考えている。その為に生活に安定を求め職に就いた。
しかしどうだ?いざ働いて稼いでみると返ってくるのは不安不安不安不安!
今を生きていけるのか、車検や家賃更新料、税金、年金、保険料、全然貯まらない貯金と老後への不安。老後を過ごす為の金は1人あたり2000万が必要とどこかの誰かが言っていたのを聞いた事がある。
働いて、金を貰うことは必要。でも、今を豊かに生きるのがこんなにも苦しい。楽しいことや物は昔よりも遥かに増え進化した世の中なのに。給料を貰う度に、ボーナスが出たって感じるのは疲労と不安なのだ。
看護師は夜勤をやって、命を削って金を稼がなければ給料なんて20万にすら届かない。1回1万と少しの手当が入って初めて周りの人と同じか少し下の給料になる。賃上げなんてされず、低賃金でやりがいを搾取されるのがぶっちゃけた現実だ。
xでナースの裏垢をみてみると、皆給与の低さや人間関係の悩みや愚痴を零している。そんなコメント欄をみてみると、やはり社会に不満を持つ人が集まっており、やれ人の命を救うのに金が必要か、やれ白衣の天使が見返りを求めるななんて大荒れしていた。
心がトゲトゲとささくれだっていると、苛立ちや不安を感じているのをどうにか発散しようと攻撃的になる。精神の安定には、愛と答える人もいるだろう。異論は認める。が、ぶっちゃけお金が1番だよね。なんて笑
社会は豊かになったように見えるだけで、何も変わっていない。社会の歯車の仕組みを築く様な上位層だけが得をしてその他は上手く使われて損をする。
何も変わってないし、むしろ今の方がずっと悪くなっているのかも。貧しい人は貧しいままで、貧しい心を育てている。
お金=心のゆとりと前述したが、今後少しでも私を含む社会を支えている中~下層の経済力の大人たちがお金で悩まされたり、将来や今に不安を感じる世の中では無くなることを切に願う。
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