ダイエットから始まったジム通い。汗が自信に変わるまでの道のり

去年の夏、留学から帰ってきて親族から「あら〜こんな丸くなって~」と言われ、はっと我に返り自分の体型を客観的に見た。
夢から覚めて、現実に引き戻されたようだった。アジア、特に韓国や日本では細い女の子の方が可愛い、といった大義があるけれど、周りの人が考えるように次第に私もそう感じるようになった。
人が撮った自分の写真を見て、身体のシルエットとか、顔の輪郭の細部を盛れなくなった。さすがにこのままではやばい。一人暮らしをしているときは誰にも何にも言われなくて、好きなものを買って食べるといった生活をしていたから、この結果は当然だと思う。
その一年で自分の身体に取り入れたカロリーや糖は一体どれほどになるのだろう。……とにかく、健康の面から見ても私の食生活はひどかった。
去年のちょうど今頃、父が通っていた家の近くのジムに私も通い始めた。普段から体を動かしているわけでもなく、これまでもスポーツとは縁遠い人生を送ってきたため、わざわざお金をかけて運動する、ということに少しの抵抗感はあった。
しかし、私にはダイエットと健康維持の2つの大きな目的があった。父に連れられ、ジムに足を踏み入れる。初回は体験ということで、トレーナーさんがトレーニング機械の使い方を一通り教えてくれた。その後、フィットネスバイクに乗り30分ほど漕いでみた。私はその日に契約し、夏休みの内通える日は通った。大抵1時間程ジムで身体を動かすが、時間に余裕のあるときはもう少し体を動かしている。
ジムに通い始めて数ヶ月経ったある日、自分の代謝が上がっているのではないかと感じたときがあった。それまでは、ちょっと動いただけでは汗なんて出なかったのに、あるときを境に汗が出やすくなった。
この変化は、喜ばしいことだ。ゆっくり。ゆっくりとだけど段々と理想とする体型になれている、と思う。体重もかなり減って、留学前の体型に戻すことができた。少しずつ自分に自信もついてきた。何より、写真を撮るのが楽しくなった。ジムに通ってるというと、新たな話題のネタができた。痩せることには成功したが、やはり体型維持と健康を保つためにも続けてみようと思う。私は食べたいものを我慢するんじゃなくて、食べたいときに食べるために、ジムに行きたい。
そうして着実に体型が変わってきた私を見て母と妹もチケットでたまにジムに来ている。チケット制は、一回で何時間いても同じ料金のため、母たちと行くときは長い時間ジムにいることが多い。最大1時間近くウォーキングマシンに乗っていたこともある。
そのときはさすがに、汗が全身から噴き出すような感覚がした。そして、思ったことは、ジムは一人で行くより誰かと一緒の方がいいな、ということ。ジムにきてずっと行動を共にし話しているわけではない。
ただ、同じ空間で何となくお互いの存在を意識するだけで、頑張ろうと思える。仲間がいるだけでモチベーションは格段に上がる。外に行くことが少なくなったこんな世の中で、やっぱり、家族で健康を守っていきたいと、心から思った。
みんなそれぞれ目的や方法は違えど、身体を動かせば汗が出る。フィットネスバイクやウォーキングマシンを使っているときは、目の前の器具にスマホを置いて動画を見ているので、映画の続きが気になるときはジムに行けばいい。
そして、大事なのは、無理をしないこと。負荷をかけすぎて苦しくなると、辞めたくなるだろうから。この夏も、私は私のペースで「いい汗」をかきにいく。そして、去年よりもっと自分を好きになれる。
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