あなたの夢はなんですか?
幼少期に大人から質問されることTop10には入りそうだ。
よく聞かれるが故に、夢はないといけないものだという固定概念が植え付けられる。覚えている限りではあるが、わたしの夢は様々な変容を遂げた。

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幼稚園時代はただケーキが好きという理由でケーキ屋さんに憧れた。その後新たな夢が芽生えたのは小学校高学年。当時、地域のバスケットボールチームに所属していたわたしが、将来の夢としていたのはバスケットボール選手。それはただ、今一番身近でありつつ立派で、健全な回答だろうと、小学生ながらに客観的な、ある意味冷めた視点を持ちながらの回答だった。

バスケは好きで、プロに憧れはあったものの、自分がなれるわけがないと心では感じていた。しかし、夢はないといけないという固定概念の元、建前で答えていたことを覚えている。ただ、当時から自分の内側を見せることが苦手であったわたし。本心ではバスケ選手になりたいと思いつつ、でも自分がなれるわけないと保険をかけることで、夢が叶えられなくても傷つかぬよう、失敗から自分を守っていたのかもしれない。

問題ない、叶わないことなんて最初からわかってたじゃん!と。そして次に叶えられそうな夢を探す。

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中学生になると今度は先生に憧れを持ち始めた。元から子どもたちと触れ合うことは好きだったので、幼稚園の先生になれたら毎日楽しそうと安易に考えていたが、幼稚園教諭になる方法を調べたら撃沈。ピアノスキルが必須だということを知った。これまでスポーツと共に過ごしてきた十数年間。縁もゆかりもない音楽の世界を目前にして ”あ、無理だ!やーめた!” と一瞬にして夢を諦めた。悲しいことに、夢を諦めることにも少しずつ慣れてくる。

高校の進路選択では、食に興味があったことと、たまたまメディアで栄養関係のトピックが目につき、内容が興味深いものであったため、その一瞬で栄養士養成学校への進学を目指すと決めた。当時から直感で行動するタイプであったことに変わりはないようだ。後に管理栄養士の職を離れ、ワーキングホリデーに行くとは、考えもしない。

わたしにとって、夢は生きる指針だ。その夢を目指して、進路や就職先を決めてきた。しかし、今考えるとその夢は本当の夢だったのかわからない。夢は自分の置かれている環境や状況に影響される。

学生時代たくさんの夢を諦めてきたわたしは、当時狭い価値観の中で生きていた。自分には叶えられない、もっと叶えられそうな夢を探そうと夢と向き合うことを避けていた。きっとそこらへんの誰かの答えを拾って、自分のものにしていた。

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30年近く生きてきて、夢を諦めることをやめた。今よりもネガティブ思考であった学生時代。当時は簡単に夢を諦めていたが、今はやりたいことにはとことん足を突っ込みたい。

例えそれが未経験分野であっても、先駆者から吸収し、自分ならどうするか熟考し、オリジナリティを生む。海外経験を経て、視野は確実に広がった。

夢は大きくても小さくてもいい。少なくとも、その夢に向かって行動し続ければいつかは必ず叶う時がくると思っている。挑戦に失敗や挫折は当然付きまとう。悩み、改善し、それらを繰り返し、継続させること、途中で辞めないことが一番大事なのだ。

わたしは自分が叶えたいと思ったことは必ず叶えられると自負している。それは辞めなければ達成できると気が付いたから。成功するまで行動し続ける。

そうやって、今後も成功体験を重ね、自らはもちろんのこと、外部にもポジティブなエネルギーを発散していきたい。そしてまた新たな夢を見つける。これがわたしなりの夢との向き合い方だ。