託した夢と共に走った7年。彼らが教えてくれた輝きと後悔のない日々

自分の夢に向かって歩くその足が、“他人”と二人三脚になってしまうこと、それ以上に怖いことはないだろう。なぜなら、相手の行動にも左右されながら進むことになるので、場合によっては自分の夢も強制終了になる可能性があるから。
でも、彼らとなら二人三脚になっても良いと思えるくらいの輝きと安心感があった。結局彼らは儚く散ってしまい、私の夢も途中で叶わぬものになってしまったのだが。
彼らは、5人でグループという形になった2018年からずっとキラキラ輝いていて、君たちならなんだってできると思わせてくれる存在だった。600人規模の劇場で、小さなステージの中をローラーを履きながら少し窮屈そうに、でも颯爽と駆け抜けている姿を見て、こんなにも私の心を躍らせてくれる存在はいないと思った。「俺たちのことを、ずっと愛してくれますか?」と聞いてくれる君たちを見て、愛さないと言う人は絶対にいなかったと思う。
こんなにも未来が明るくて、ついていって大丈夫だと、彼らならなんだってできると思える存在に出会えたのはきっと奇跡だった。「ずっと愛していたい」「ずっと見ていたい」そう思ったあの時から彼らは、私の夢となり、一緒に夢に向かって歩く相棒になった。
それは何年経っても、会場の規模がアリーナクラスにまで大きくなっても変わらなかった。誰が何と言っても、私の中では一番のアイドルだったし、彼らを見ている時間は楽しくて愛おしくて、こんな風に感じられる時間があるのが不思議なくらいだった。
彼らとだったらどこまでだって走り抜けられる気がしたし、「伝説になりたい」「最速でデビューをしたい」彼らが口にする夢はなんだって、いつだって叶えられるような気がしていた。そして、それが叶うことは私の夢が叶うことでもあった。
でも、叶わなかった。突然の脱退発表、そして解体。私の夢は、叶うことなく強制的に終了を迎えてしまった。
毎晩泣いて、もっとこうすればよかったのか、あの時こうしていればよかった、と悔やんでも何の意味もないのにたらればの世界線を考え続けた。でも、何が悪かったわけでもないと思う。何より彼らが夢に向かってできることを全力でやってきていたのを、私は知っている。
ふとした時に出てくる涙とやるせなさは1年経つ今もなくならないけれど、彼らに夢を託していたことを後悔はしていない。彼らと走り抜けることができた7年は、本当に楽しかったから。
彼らにとっては手狭であっただろう劇場で公演をやっていた2018年から、10,000人以上が入る全国のアリーナ会場でツアーをした2024年まで、一瞬も見逃すことなく応援できたことは私の財産だ。
もしどこかで何かの縁があって本人たちが私のこの文章を見てくれているなら、伝えたい。ねえ、私に夢を持たせてくれてありがとう。夢に向かって走るということが必ずしも苦しいわけではなくて、キラキラしてる場合もあるってこと、君たちのおかげで知れたんだよ。君たちだったから、長い間ずっと一緒に頑張れたんだよ。いつかまた、5人で走れるその日が来たら、また絶対一緒に夢に向かって全速力で走らせてほしい。
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