小学生の頃、プールサイドで並んだ時、太ももが周りの子より太いと感じた。体型について直接言われたことはないけど、健康診断の数字で何となく分かっていた。自分は少し肥満体型だと。

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中学生の頃、後ろの席のイヤな男子に私の頭が大きいから黒板が見えないですと言われた。しかも大きな声でクラス全体に聞こえるくらい。悔しいけど、今でも覚えてる。

中学で同じ部活になった子に、もっと痩せなきゃみたいなことも言われた。けどその子に悪意はない。ただ少しキツイことを言う性格の子だったのだ。
これくらいだ。私が見た目を気にしてしまうようになったのは。

お母さんには、自意識過剰だと言われた。今思えば、その通りでしかない。お父さんには「誰も見とらへん」と言われた。これもその通りだ。

だけど、当時の私は自意識過剰の意味も分からず、小顔ローラーを買ったりダイエットに専念していた。

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見た目なんかどうでも良くなったのは、高校の時。いや大学かも。徐々に徐々に人目を気にしなくなった気がするから、順を追っていこうと思う。

まず、高校。高校の部活で、正直すごく苦手な男子がいた。納得いかないことがあると、分かりやすくイヤな態度を取る。少しキレやすいタイプだったのかも。

お父さんに相談した。同じ部活に怖くてイヤな人がいる、と。お父さんは私と正反対なタイプで、逆に人目を気にしない人だ。これはこれでどうかと思うくらい。けれどお父さんに相談して思ったのが、そのイヤな男子も、自分がどう思われようと気にしないタイプの人だ。イヤな態度を分かりやすく取る人なんて、正直嫌われたり、周りから距離を置かれても仕方ない。けれど、その人は私にどう思われようが関係なく、納得がいかないとイヤな態度を取り続けているのだ。

お父さんに相談した後、思ったのは、「うらやましい」。自分に対する人の意見なんて、一切考えず生きているのだ。ほんとに私とは正反対。私だったら、いい人に思われたい。というか、これが普通じゃないか。けれどその人はホントにどうでもいい、なんなら考えたこともないんじゃないか。めちゃくちゃイヤな人だったけど、この人のおかげで、周りの意見を一切聞かない生き方っていいって思えたんだ。

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高校を卒業して、大学生になった。高校までは共学だったためか、見た目には気を遣っていた。どんなに時間がなくても、アイプチをして前髪は巻く。今では考えられないくらいちゃんとしてた。
相変わらず少し肥満体型だったので、ダイエットもちゃんとしてた。

だが女子大に入学して、6キロ太った。過去1の肥満体型だ。全く見た目に気を遣わなくなった。毎日ジャージ登校。前髪なんか巻かない。メイクもしない。
女子大に入学して気付いたのは、周りを気にして自分に嘘をつく方がストレスだということ。朝はできるだけたくさん寝たいし、学校に行って帰るのにおしゃれする意味も分からない。まあ、総じて女子大のおかげだ。

正直、今の体型がプラスに働くことはないかもしれない。けど、そのままの自分を好きになってくれる人と一緒にいたい。これが今の素直な自分だ。
おしゃれを楽しみたい人はダイエットを頑張ればいい。好きな人が痩せている人が好きなら、頑張ればいい。けど、食べるのが好きな人はたくさん食べていい。
この人生は私だけのものだと思う。