1人で生きる覚悟をした私に、180人以上の友だちができたわけ

180人。
これは、私の高校の同級生の、大体の人数。そして、大人になってからできた友人の人数。
このことに気がついた時、あれっと思いました。大人になってから友だちを作るのは難しいと思っていたけれど、そのわりにはいるじゃない、と。
しかも、この人数には、会社の同期などは含めていません。あくまでも、プライベートで出会った人数なのです。そもそも、これだけの人と出会ったのは、1年半前に会社を辞めてからでした。
そう、大人になってから……というより、正社員を辞めてキャリアブレイクした後に出会った友人の数が、180人なのです。
多いと思うか、少ないと思うかは、人それぞれだと思います。でも、交友関係は「狭く深く」で、大学までは一握りの友人しかいなかった私にとっては、桁違いに多い人数です。
しかも、1人1人との関係は、一緒に過ごした時間の短さを別にすれば、「浅い」というより「深い」ものです。「会うのが2回目だなんて信じられない!」と言いながらお泊まりをしたり、「まだ会うの5回目なんだっけ?」と言いながらも、5年以上は知り合っているような空気が漂っていたり……。あれだけ毎日顔を合わせていた高校の同級生たちとの関係の方が、よっぽど浅いものだったように思います。
数回しか会っていなくても、初めて会ったその日から深い話をできているのが、大人になってからできた友人たちの特徴です。人生で苦しかったこと、この人生でやり遂げたいこと……。夢も悩みも、出会ったその日から話せていて、次に会った時にはもっと深い話をして、お互いの人生を応援し合えているのです。
なぜ、こんな風に自分がオープンになれたのか、時々、自分でも不思議になるほどです。でも、始まりは会社を辞めたことだったように思います。
次の仕事を決めずに、会社という1つの大きなコミュニティからも離れようとした時、「怖い」と思わなかったわけではありません。「明日からは1人で生きていかなくちゃ」なんて考えて、震えたほどです。でも、その怖さを乗り越える方法を私は見つけました。
それは、たくさんの人と繋がること。
自分の夢をたくさんの人に語り、応援してもらう。新しく出会った人たちの人生の物語に耳を傾けて、彼らの夢を理解し、応援する……。そんな風に繋がる人が増えれば、たとえ無職でも何とかなる。そんな風に思ったのです。
実際、会社に行かなくなっても、私のスケジュールが空白になることはありませんでした。新しく出会った友人に、別の誰かや新しいイベントを紹介してもらい、次々に予定が埋まっていくのです。そこでまた夢を語り会い、さらに次の出会いを得て、めまぐるしいほどのスピードで私の人生は広がっていきました。
また、「世界一周に行く」という共通の夢を持った友人たちとの出会いも、大きなものでした。彼らのほとんどは、大学生。社会人になってからは学生と触れ合う機会はなくなっていたので、自分よりもうんと若い仲間との出会いは、貴重なものでもありました。
学校に通っていた頃は、1つでも学年が違えば、関わり方はあくまで「先輩」や「後輩」の枠から出ることはありませんでした。でも、大人になってからできた友人たちは、5歳年上の人とも、5歳年下の人とも、フラットに"友だち"になれています。
出会いのきっかけは、同じ夢を持っていたり、たまたま同じイベントに参加していただけだったりと、人によって様々です。でも、私が心を開いて向き合いさえすれば、どんな立場の人とも、どんなに歳の離れた人とも、すぐに友だちになれると、大人になってから学びました。「大人になったら友だちは作れない」と思い込んでいた学生の頃の私に、「むしろ、大人になってからの方が自由に友だちになれるんだよ!」と伝えたいくらいです。
これからもどんどん、私の友だちは増えていくだろうと思います。彼ら全員と過ごすには、時間がいくらあっても足りないほどです。でも、だからこそ、1つ1つの出会いを大切に、1人1人と深い関係を築いていけたらと思います。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。