「大人になったら、友達が作れない」  「大人になると年々友達が減る」  という言葉をよく聞く。

前者の言葉に対しては、確かに大人になり社会に出れば生活時間の大半は、会社と家の往復になるので、友達作りの場は減るだろうと思う

また、私自身、新卒時会社の同じ業務をしている先輩にプライベートやパーソナルなことを自己開示の為に話してそれが部署内のあまり親しくない方や果てには上司にも伝わって嫌な思いをしたことがある。自分の中では会社の人は、友達というより一緒に仕事をしてるメンバーでしかない。

後者の言葉に対しては、喧嘩したとか、相手に非があったわけではなく、ライフステージが変わると、忙しそうだし、連絡していいのかなと遠慮が生まれ連絡自体しづらかったりするのが理由だろう。久しぶりに連絡して、怪しい勧誘じゃないか警戒されたら怖いなと思って勇気がでなかったり。

そう考えると、二つの言葉に真実味を感じる。

自分自身、大学を出てからも連絡している友人達や、地元を出てライフステージが変わっても、 帰省したら、変わらずに笑い合って楽しい時間を過ごせる友人達には感謝しかない。

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そんな中私にとって大人になってできた友人は、SNSで、出会ったフォロワーさん達だろうか。

所謂同じ声優さんを推している「同担」と呼ばれる方で、声優さんの出演しているアニメや、コンテンツを熱心に追いかけたり、番組に出たらリアルタイムで実況したり。その姿が、楽しそうで直向きで仲間に入れて欲しいと思い勇気を持って話しかけてみた。それから親しくなりリアルイベントが開催されたら、全国様々な地域から、イベント会場へ集まったりしたこともあった。 

年齢層も、私と同世代の方もいれば、私の母ぐらいの年齢の人まで幅広かった。

バリバリ働いて稼いだ給料で、オタ活をエンジョイするフォロワーさんは、私にとって眩しかった。こんな社会人になりたいと憧れた。フォロワーさんが声優さんの番組内でメールが読まれたり、サイン色紙が当たったらすぐ祝福の言葉を贈ってくる、人の幸せを喜べる優しい方々だった。

お会いしたら、好きなことだけではなく、これからの人生計画を話したりしたこともあった。

イベントに行く予定で都内に来た際、 他のイベントに行く予定のフォロワーさん、イベント前合流して、一緒にご飯を食べたりしたこともあった。

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しかし、コロナ禍になって以降親しくしていた方達も、だんだんSNSに顔を出さなくなった。

他の好きなことに夢中になったりしたかもしれない、もしかしてコロナ禍をきっかけにオタ活どころでなくなった人もいたかもしれない。楽しかった日々を思い出すと、寂しさを感じる。

なんとなく、これ以上いい仲間に会えない気がするという理由からSNS上で新たな友人を、コロナ禍以降作っていない。

今は、コロナ禍以降推し始めた方のイベントに行くことが多いが独り身で参加し、イベント後は感想を呟いたり、SNSで他の人の感想を読んだりぐらいだ。

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今どうしてるかわからないフォロワーさんを思う時もある。でも、今はSNSという港をでて、別の場所ーーそれは新たな好きなことだったり、今真剣に向き合わないといけないことをするためにSNSという港を離れ船に乗って旅に出たと思ってる。

何かきっかけがあれば、またこのSNSという港に戻ってくるかもしれない。また再会する時を夢見たりするのだ。