1995年生まれ、25歳。気づいたら大人になってた。
ついに“アラサー”の仲間入りをしたわたしの友達もみんな、やっぱり“アラサー”だ。結婚してる子はもちろん、二児の母になっている子、バリバリ働いて輝いてる子、中学からの夢を叶えるためにあがいている子も知ってる。

たぶん、わたしたちはいま、“お嬢ちゃん”とか“少女”とかいう表現から、“お姉さん”とか“女性”といった表現に移行が完了したばかりの世代だ。

少女の頃は、多くの時間を「繋がって過ごしたかった」のかもしれない

生まれ年には阪神・淡路大震災に地下鉄サリン事件。中学の卒業式と高校の入学式は、東日本大震災の影響で中止または縮小。元気いっぱいのバブル世代を親に持つ、ゆとりラスト世代。

おそらく今でも、ノールックでガラケーのメールを打てるわたしたちは、facebookでダラダラと私生活の投稿をしまくるアラフィフ世代みたいにはなりたくないなと思いつつ、綺麗な景色や美味しいものは一応Instagramのストーリーに投稿し、何年も言葉を交わしていない昔の同級生とは、SNSで辛うじて繋がりながら、巷ではどんな曲が流行っているのかはほぼわからなくなったけれどひたむきに生きてるわけよ。うっせぇわ!

中高生の時はmixiやアメブロが流行って、何かあるたびにつぶやき、綴った。あれは備忘録とか日記とか感情の排泄とかではなくて、とにかく自分の行動や気持ちや存在そのもののアピールだった。

仲良しの友達とはもちろんマイミクだったし、競い合うように長い紹介文は、親友の証だった。毎日のように誰とどこで何をしたかブログを更新したし、リアルや前略もモバゲーも読んで回って、合間にはタイトルにRe:がいくつも続くメールをしてた。

深夜には電話で「愛と恋の違いって何?」みたいな、今でも答えの出ないような命題について何時間も話して、気づけば話題がコロコロ変わっていて、電話を切る頃にはもう何の話をしていたのかお互いに全然覚えてなかった。とにかく、少しでも多くの時間を繋がって過ごしていたかったのかもしれない。

何についても爆笑しながら語った「あの頃」から変わって、少し寂しい

それがいつの間にか、LINEやInstagramのせいか、わたしたちが大人になったからなのか、あまり自分のことを多く発信しなくなったし、友達も当たり障りない投稿しかしなくなった。遊ぶ=とにかく喋り倒すorカラオケだったのに、気がついたら食事や展示や映画など、とにかく目的ありきの時間共有に変わってしまった。

会うたびに、「最近どう?」から始まる近況報告。恋愛・仕事・結婚・健康・家族やお金や保険の話まで。恋バナなんて純粋なシロモノじゃなくて、もっと生々しい話ばかり。これはこれで楽しいけれど、すぐに「語ろ!」って何についてでも、爆笑しながら語れたあの頃とは何もかも違う。ちょっと寂しいよ。

大人になったけど、とてもとても落ち込む夜がある。昔ならすぐに「ねえ聞いて~」なんて電話して愚痴を聞いてもらったり、鍵付きのブログを更新して、それを見た友達から励ましメールが送られてきていたりしただろう。

もし、わたしが突然「ちょっと電話していい?」ってLINEしたら、快く通話して話を聞いてくれるだろう。そういう素晴らしい友達に恵まれている自覚はある。でも、もう大人だから、IDもパスワードも忘れちゃってアメブロにはログインできないし、そもそもサクッとブログに綴れるほどシンプルなことには悩まなくなった。

ましてや大人になったから、みんな昼間は仕事だろうし、夜はプライベートな時間だし、深夜に連絡するのはあまりにも非常識だし、何より次の日のパフォーマンスに悪い影響を与えてしまったら申し訳ないって、気遣いの気持ちが先行して連絡するに至らない。大人になったからこそ、相手の生活リズムを崩すことの罪深さを知っているから。

いつでも心の赴くまま「アピールできていた頃」が恋しくてたまらない

だからそういう夜は、一人でちょっとだけお酒を飲んで、一人でちょっとだけ泣いて、毛布ごと自分をギュって抱きしめて眠る。

そんな時ですら、「あんまり大泣きするとまぶたが腫れちゃうな」とか「明日の朝、顔むくんでたらメイクめんどくさいな」なんて、頭の片隅で冷静に考えている自分がいる。本当に大人になっちゃったんだ、わたし。

毎日仲良しな子と一緒に過ごしていたあの頃と、比較すること自体が間違ってるのかもしれない。だけど、いつでも心の赴くままに「会いたい」「話したい」「聞いてほしい」ってアピールできていた当時が恋しくてたまらないんだよ、いまは。

あの頃のわたしたちへ

そのままでいいよ。恋も友情も進路も、成功しても失敗しても大丈夫だよ。あなたたちが思っている“素敵な大人の女”からは程遠いけれど、25歳のわたしたちはあなたたちの毎日とこれからを糧にして、今日を懸命に生きているよ。

デパコスもハイブランドの財布も表参道のフレンチも、自分で稼いで自分で手に入れられてるよ。

だから、安心して“今だからできること”を全力で楽しんでね。わたしたちも“今だからできること”をこれからどんどん増やしていくよ。