ベッド・イン「リスペクトされない仕事なんてない!どんな仕事もスキルが必要♡」
バブル文化をリスペクトして、セルフプロデュースで活動中の地下セクシーアイドル「ベッド・イン」。バブルのオイニーむんむんの益子寺かおりさん・中尊寺まいさんが、ボディコンに身を包み、歌い上げるのは「コンプレックス武器にして、立ち上がれ」。ステージの上ではイケイケの2人もパジャマに着替えれば悩めるナオン。「かがみよかがみ」に寄せられたエッセイを読みながら、ゆるゆると語り合います。さあ、今夜もパジャマパーティー!寝させないわよ。
【今回のエッセイ】
まるで、「お前のような人間に名前は必要ない」と間接的に言われているような気分にさえなる。わたしにはちゃんと名前があるのに。わたしの名前は「事務さん」なんかじゃないのに。
事務は「誰にでもできていくらでも替えのきく低レベルな仕事」だという偏見や、自分よりも立場が下だと考えている人に対しては雑に扱っても構わないといった考え方が、意識的にも無意識的にも社会的に広く持たれているのではないだろうか。
わたしの名前は「事務さん」なんかじゃない
かおり「OL時代、事務のお仕事を君は1000%リスペクトしてました!私がヤッたら、その会社はバブル崩壊しますから!(笑)」
益子寺かおりさん(以下かおり):な~るほどTHEワールド!職業で呼ぶことって、投稿者さんが言うような捉え方もあるのね…!ウチらもおギグ(=ライブ)会場で「照明さん」「PA(音響)さん」と呼ぶこともありますけど、あくまでもそれは専門的な知識やスキルを持ってらっしゃる方、プロとしてのリスペクトを込めて呼ばせていただいてますね♡自分自身も「演者さん」「ボーカルさん」って呼ばれることもあるけど、そういう認識で捉えているから、気にしたことなかったなぁ。
OL時代に勤めていた会社でも「事務さん」って呼び方はあって、同じように「営業さん」「制作さん」って呼称もありました。そこに悪意やマイナスな意味合いは感じてなかったけど、言われてみれば、受け取り方は人それぞれかもしれないよね。気になる人も結構いたりするのかしら…?
ちなみに私は制作の部署だったんだけど、計算やデータ処理をする才能が自分には無さすぎて、事務のお仕事を君は1000%リスペクトしてました…!もしも私が事務をヤッたら、その会社は確実にバブル崩壊しますから!(笑)だから投稿者さんが言うような「事務=誰にでもできる仕事」って考えは完全に思い込みだと伝えたい!彼女自身が自分のお仕事に対して、どこかでコンプレックスを感じてしまっているのかもしれないわね。
まい「私もOL時代は事務さんでした。卑下しちゃう気持ち、わかるなあ」
中尊寺まいさん(以下まい):私もたったの3年ほどでしたが、20代のOL時代は事務をやってました。“事務さん”という呼ばれ方に関しては蔑称に感じたり、嫌な気持ちになったことはなかったけど、“事務の女の子”とか“事務の若い子”とかって呼ばれ方をした時にはちょっと違和感があったかなあ。あの頃は当時バンド活動をしていても“ギターの女の子”って言われるのも、なんだか悔しいかったんですよね。
「誰にでもできる仕事だ」って誰かに言われたことはないけど、自分自身でそう思っちゃう気持ち、ちょっとわかるなあ。私も“誰にでも出来る仕事”じゃなかったとしても“自分じゃなくてもいい仕事なのかも”って考えてしまうことはよくありました。
事務の仕事って数字とか結果が見えづらいし、毎日やっていることも大きく変わらないので、毎日に埋没しがちなんですよね。うちの会社は特に他部署とは隔離されていたし、エンタメ業界にいたので余計に制作やデザインチームの同期たちが輝いて見えたなあ。
“守り”の仕事なので、それはすごく大事MANな仕事だとわかっていても、自分で卑下しちゃいがちで、日々“む〜んな気持ちはおセンチ”なちゃんまいでした…トホホ(遠い目)
かおり:本来リスペクトされないお仕事なんてないはずなのに…淋しい熱帯魚だわ!どんなお仕事もその職ならではのスキルが必要だし、「自分だったら出来る自信がナシンコ…」って職業はリスペクトしちゃうけどなぁ~!自ら卑下してしまう世界観に「違う 違う、そうじゃ、そうじゃな~い♪」って、マーチンばりに全力否定してあげたい…!会社のイキフンとかも影響してくるのかしらね、上下関係が厳しい会社もあったりするし。
まい:希望していたのか、そうじゃないのかでも違うかもしれないよね。うちの会社は管理部として内定をもらって、事務と受付に振り分けられたんだけど、受付と事務って差がありすぎんじゃん!って感じで、最初はみんな戸惑っていたかな。
でも、一生懸命に仕事していたら、部署を飛び越えて名前を覚えてもらえるようになったり、指名で仕事を頼んでもらえるようになったり、飲みに誘ってもらったり…そういうのはガンバルンバしてよかったし、経験できてよかったなって思えたことだけどね!
あと、私には「別にバンドがあるから!」っていう気持ちがあったから仕事のことは仕事の時だけ考える!って感じであんまり思い悩まなかったな。良くも悪くも、5時から女よろしく、ベルサッサ(ベルが鳴るとサッサと帰る)ちゃんだったので…♡
かおり:そうチンキングすると「呼ばれる側」がそのワードをどう捉えているかって重要だネ!ネーミングに対して、その人自身が「武器と思っているか/コンプレックスに感じているか」で大きく変わってきそう…!その人が「自分の職業は最高じゃ~!」と思っていたら、職業で呼ばれてもウエルカムだろうし、逆に劣等感があったらゲロゲロ~!って思うだろうし。
それって「あだ名」や「ニックネーム」と一緒だよね。他人がつけたあだ名が自分も気に入ってるワードだったら呼ばれてABCDE気持ちだけど、コンプレックスに感じてるワードだったら「マイナスだと思ってる部分を強調されてる…」って嫌な気持ちになっちゃう。たとえば私は学生時代に「昭和」って呼ばれてて、自分は昭和文化がスキスキスーだから誇らしかったけど、「え、古い顔ってこと!?」って怒りそうな人もいそうだモンなぁ~。人によっては誉め言葉、人によっては羞恥プレイ…!受け取り方は人それぞれだから、気を付けないといけないことなのかもしれないわね。
かおり「職場でもセルフプロデュースが大事MAN♡呼んで欲しい名前を自らアピールするっきゃナイト!」
まい:そうね、私はベッド・インの「パイオツカイデ〜担当」を名乗っているけど、人によっては「デカパイ」をコンプレックスに感じていて、見下されていると感じる人もいるじゃない?でも、私はこの“あぶない刑事(デカ)パイ”が自分の武器だと思っているので、とっても気に入ってるんです♡自分で名付けたしね♡
ただ、投稿者さんにとって「事務さん」が嫌なら、名前で呼んでもらえるようになるといいな。
かおり:そうね…呼ぶ側に悪意がないとしたら、コリはもう本人次第というか、呼んで欲しいネーミングを自らアピールしてイクしかないんじゃないかしら…?それこそ、もっと職場の人たちとコミュニケーションを取って「●●って呼んでくださ~い♡」みたいな、覚えやすいあだ名やニックネームを伝えるとかネ。
そういえば、私もOL時代に最初は「新人ちゃん」って呼ばれてたけど、「『妖精達』って名前のバンドをやってる」ってパイセンに話したら面白がられて、「フェアリー」っていうキョーレツなあだ名をつけられたわ…(笑)本位かどうかはさておき、それ以来、社内でそのネーミングで呼ばれるようになった記憶がある☆そういう「キャッチーで覚えやすいキャラ勃ち」やセルフプロデュースって、職場でも大事MANなんじゃないかな♡
ちなみに「伝説のスーパー庶務さん」と呼ばれてた人もいて。その人は「ホスピタリティの神」とも言われてたわ!めちゃくちゃ仕事ができて、情報通だし話が面白いからプライベートでも人気者、しょっちゅう雑談しにイッてたなぁ。庶務の仕事を誇りを持って極めてて、純粋にカッコよかったですね。会社や仕事においてどんな存在になりたいかはやっぱ自分次第だし、勇気100%でクパァと道を切り開いてイクっきゃないかもね♡
まい「今回の投稿のおかげで、やまだかつてない新しい視点に気づけた!」
まい:仕事以外のコミュニケーションも大事MANになってくるよね。実はちゃんまい、OL時代にはそういうキャラ付けをしたり、自分から話しかけたりすることがすごく苦手だったんですよ。ランチは誰とも話したくなくて、トイレでひとり飯してたくらい(笑)けど、ずっと受け身じゃ何も変わらないんだって思ってから、世界が広がった気がします。
今回の投稿は本当に色々なことを考えさせられたな〜。おかげで、相手はどう思うのかなってより深く考える機会になった。仕事なら派遣さんとか、バイト君とかもそうだし、好意的な意味で使ってるけど、本来オタクとかもそうだったのか?とかね。
かおり: ほんと投稿者さんったら、目のつけどころがシャープだよネ!♡自分のなかの葛藤や違和感をこんな風に素直に見つけられるって素晴らしいことだと思うし、きっと働くことに対してのプライドをしっかり持ってる人なんだろうなぁ。
だって、こだわりの気持ちが強くなければ、怒りも生まれないもの。アーパーに何も考えずに働いてた学生時代、「バイトちゃん」って呼ばれても、な~んも感じてなかった自分に叱咤したいわ…トホホ!まさに向上心があるからこその悩みだと思うし、将来バリバリ出世して、オオモノになっちゃいそうなオイニ~がするわ…♡
まい:うんうん。こういう感覚って、自分の仕事にプライドやプロ意識を持っている証拠!
これからウォンビーロングに伸びる方なんと思います♡キラキラしていて、とっても素敵だし、刺激になりました!ウチらも心のジュリセン振って応援しちゃいますゾ〜♡
ミニアルバム「ROCK」発射オーライ
踊れる〝ボディコン・ロック〟をコンセプトに掲げてきたベッド・インが、 より激しく、よりセクシーに、ロック要素を色濃く抽出したミニアルバムを完成させた! 作曲家の渡辺和紀氏、渡辺未来氏とふたりが共同制作して作りあげたベッド・イン史上最もハードなナンバー「We Are 〝BED・IN“」や、 おギグでも大切に演奏してきた「SHOW ME POWER」をマンをジして音源化! ベッド・インの新たなるステージを予感させるオリジナル全5曲。
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