私の好きな外見小さい顔と、その骨格ゆえに出っ歯になった嫌いな歯

私は自分の歯が嫌い。
顔が小さい。だから骨格に歯が入りきらなくて出っ歯になった。友達に「顔が小さい」と褒められることが多い。自分が誇りに思っていることのひとつ。
顔が小さいのはうれしいけど、皆みたいなきれいな唇とか歯になりたいと思っていた。自分の横顔は鼻よりも口の方が出ている。いつもそれを隠すために人がいる方の髪の毛は絶対に耳にかけないようにしていた。
そして髪の毛は横から見て必ず口元が隠れる長さにした。また、口元が隠れるマスクが好きだ。
新型コロナウイルス蔓延により、夏でもマスクの着用が普通になった今、マスクの着用に関してはちょっとうれしかったりした。けど反対に、マスクをとる機会が減ったため、マスクをとって顔を見せなければならない場面の時に躊躇することは増えた。

笑って受け流していても、言われるたびコンプレックスは深まっていく

高校生になったときには仲の良い子にふざけて「出っ歯だなあ。」って言われることがあった。いやだなあと思いつつ笑って受け流した。
だけど人がいる前で大きな声で言われるのはとても嫌だった。嫌といえず言われ続け、言われていなかった時よりぼんやりとコンプレックスだったものがはっきりとコンプレックスとしての認識が深まった。
「私、歯が前に出ているんだよね。」と友達にやっと打ち明けたとき言われたのは「顔が小さいからだよ」。
そんなことは知っていた。そんなことを言ってほしかったわけじゃなくて「気にならないよ」という言葉をその時は求めていたのかもしれない。
出っ歯は人の特徴として絵でも誇張されて書かれることが多い。よくしているような髪型と同じような立ち位置。出っ歯を誇張して書けば「似ている」となり、その人になる。
出っ歯は口の中に収まらないことが多い。笑ったときに出る歯の白い部分の面積が他の人よりも圧倒的に多い。
また、ほうれい線もはっきりと出る。少し老けたみたいになる。口を閉じて笑うと、歯が邪魔してうまく笑っているように見えない。口に収まらなくて何かに集中していると口が開いちゃう。寝ているときよだれ垂らしていることが多い。いいことない。

本人が魅力的か悩みと思うかは紙一重。境目を判断できる人になりたい

コンプレックスは「自分が思っているより他人は気にしてない」とか「言われなかったら気づかなかった」とか言われることが多い。
けれど、自分が気にしているからこそ一番直したいところでもあるのではないだろうか。
他人にどういわれようと、どう思われようとコンプレックスにならないものはならない。「見た目」の個性や特徴はチャーミングポイントになるかコンプレックスになるかの境目で常に彷徨っている。
 コンプレックスは他人の一言でコンプレックスの克服になったり、さらにコンプレックスの意識が強まる可能性があったりする左右されやすいものである。自分がコンプレックスを持っているからこそ、コンプレックスについて言われたいこと言われたくないことの判断をできる人間になりたい。