私は、男性が男性になる瞬間が少し苦手だ。
10代も終わる頃、初めて付き合った彼氏は7つ年上。SNSを通じて知り合った人で、お堅い職業で、見た目も流行など気にしている様子ではあるものの、真面目な方だった。
ただ性格が良いとは、宇宙がひっくり返っても言えない。この人の言葉で、交際期間中に何度も傷ついたから。
相手のことは好きだけど、キスくらいが「愛情確認」するのに良いなぁ
初めの頃は、デートで公園にピクニックやショッピングに行った。お互いの家族の話や趣味の話をして盛り上がった。私は(今もそうだけど)、そういうことだけをするのが楽しくて、相手に性欲がある事などまず頭に無かった。私も少し幼い部分があったのだと思う。
付き合う内に、やはり相手はそういうムードになっていく。ある日「うちに来ない?」とLINEが来て、二つ返事で行く旨を返信。ただ好奇心だけでバスを乗り継ぎ、敷居を跨いだ。
その日は、一緒に映画を観ていただけなのに、いつもと相手の様子が違うように感じられて、目が爬虫類系の何かに見えてしまった。彼の口から出る言葉も「(テレビの脇の空いたスペースを指し)あそこにそのまま剥製にして飾っておきたいな」など、内心驚きしかなかった。
当時の私は、相手のことは好きだけど、キスくらいが愛情確認するのに良いなぁなんて呑気なもの。合体行為は、20歳になってから…と自分の中で謎の掟があったため、その日はキスをして別れた。それが初めてのキスだった。
なおこの掟は、この相手と別れて、22歳になった今でも破られていない(oh!)。
言い方は悪いが、男性が「オスになる瞬間」が好きではない
その後も何度か会う内に、段々と察して前戯までは楽しんだ。初めて父親以外に目にした男根はとても大きくて、心はユカイツーカイ怪物くんだった。
でも、そういうエロティックなムードになるようになってからは、それまでの印象や顔はガラリと変わったように思えた。凶暴なタイプの男性ではなかったから難を逃れたものの、一歩間違えば危なかったなと今になって思う。尻軽なのか、尻重なのかわからない私は、ラブホテルにもホイホイとついて行き、システムやお風呂に感動したものだ。入浴剤がいい香りだったな~。
言い方は悪いが、男性がオスになる瞬間が好きではない。仲良くなって話していると、ほんの少し性的な方向に話がいってしまうこともあるのだが、目つきをみるとオスモードに入っているか否かがわかるようになった。
萎びた掟を破りたい気持ちもあるけど、怖い気持ちがずっと強い。「もう人類が誕生して暫く経つし、POISON~令和にもなってこんな事を言っている私は~」って感じですよ。
生物として、メスとして、未熟な私がきっと間違っているのかもしれないけど、好きか嫌いかをいうのは別にいいかな。
街で見かける輝いている女性と「自分」を自然に線引きしてしまう
女友達や、街行くメスメスしている女性を見ていると、ただただかっこいいなと思う。輝いている。寒いのにスカート穿いて脚を出して、ばっちりメイクされて、ヒールでカツカツと道を歩く。女としてこんなに完璧なことがあるか!!! とすら思ってしまう。
色々と今諦めの境地に達した私は、めちゃくちゃに特別な時以外はスキニーに暗めの色のニットにスニーカー。メイクも手抜きだ。
それこそ以前は、痩せたりメイク頑張ったり、慣れないヒールをいつもそれとなく履いたりしていたけれど。輝いている女性と自分とを自然に線引きしている。童話に例えたら、貴族の娘と農民の娘のようなそんな感じ。
かなり元の話と内容が逸れてしまった。22歳になった今も、男性の性欲が怖いという話でした。