昔、我が家では新聞を取っていた。朝起きた時や学校から帰ってきた時、リビングの床に新聞を広げ、気になる見出しを見つけて読むのが好きだった。県内のローカルなニュース、どこか遠くに住むある人の話、日々連載されるコラム…。他のどこにもないオリジナルの記事をじっくり静かに文字を追いかけ、紙面をめくる時間がたまらなく楽しかった。そういうのは読んでいてほっこりするし、新しい事を知り知識が一つ増えて賢くなった気がした。
加えて、私は幼い頃からテレビ大好き人間だ。曜日ごとに好きな番組があって、3か月ごとにドラマは何を観るか考える。勉強や仕事で疲れた頭をリフレッシュさせたり、家族や友人との会話のネタにしてきた。たまに見る料理やスイーツ作りの特集、暮らしの知恵、旅番組等を見ていたら「今度の休みの日にやってみようかな」と妄想を膨らませるだけでも楽しい。ネットがいくら発達しようとも、テレビが私の中から存在を消えることは一度も無い。
インターネットでは得られない、もっと価値ある情報を伝えてほしい
しかしここ数年のメディアを見ていて思う事がある。
朝の情報番組で「今、SNSでこれが流行ってます!」「この動画がバズって(流行して)ます!」「芸能人の誰々さんがこんな写真をアップしました」等々。いや、全部テレビで紹介される前にSNSやネットで見てるし。もっとテレビでしか伝えられない情報伝えてよ、と突っ込みたくなる。
テレビのコメンテーターも「この人の喋り方はほのぼのとするし、分かりやすいな」と思う事がある一方で、「この人の喋り方は辛辣だし、聞いててこっちがイライラするな」と思う事もある。正直苦手なコメンテーターのいる番組は見ないように、時間帯によってチャンネルを変えたり録画していた番組を観たりしている。
ネット記事の不確かで内容の薄い情報は、不愉快な気分になるだけ
一部のネットの記事もそうだ。バラエティー番組での一部始終、芸能人の誰々さんがSNS上でこんな発言をした、熱愛発覚、結婚や出産の報告、不倫、不祥事…。内容、薄っ!わざわざ記事にする必要がある?バラエティー番組やSNSの内容なんて番組やそのアカウントを見た人が知ってたらいいじゃない。芸能人のプライベートな話も、本人から直接聞くならまだしも、パパラッチが追いかけまわして得た情報やSNSを見ただけで書いたような記事なんて喜ぶ人がいるの?
本来ならおめでたい内容でも「ネット上の又聞き」だと何となく嫌な感じがして喜びが半減してしまう。少なくとも私は、不愉快だし気分が暗くなるし疲れる。そんな記事は新聞には載らないし、載ったとしてもスポーツ新聞ぐらいだ。
必要なニュースはある。でも、もっと楽しめる内容があってもいいよね
だからこそ、テレビをはじめとしたメディアでは視聴者や読者がよりワクワクする、楽しい中身の充実した内容を伝えていただきたい。もちろん伝えなければいけない天気や災害、政治、国内のニュースはあるだろう。刻々と状況が変化するため一日中伝えないといけないニュースもあるだろう。それでも、ほっこりしてワクワクする情報が、もやもやして何だか後味が悪い情報より少しでも多くなりますように。それが、私のメディアに対してへの願いだ。