ママ友と会話していると「ひどいよね~私鬼嫁だわ~」と笑いの場を提供してくれることがある。でも、冷静に考えて欲しい。「鬼」である。ヤバイよ、それ。みんなで笑っても大丈夫なギャグ??
皆さんが思う鬼嫁像ってどんなものだろうか。キレて旦那の趣味のプラモデル(プレミアもの)を捨てるとか?喧嘩した後旦那さんのシチューに洗剤(死んじゃう)を混ぜるとか??おそらくそこまでいくとDVに分類されてしまう。では鬼嫁はどこまでやる嫁のことなんだろうか。
旦那が挙げたやけに具体的な鬼嫁の定義に、嫁の立場から異論あり
今スタバで目の前に座っている私の旦那さんにインタビューしてみよう。
「鬼嫁ってどういうことする奥さんだと思う?」
「喧嘩の後に新幹線距離の実家に帰るのは鬼嫁でしょ!!だって仕事が休みにならないと呼び戻しに行けないもん。何万円もかけて子連れで帰られた時には、どうしようって絶句すると思う。
あとは付き合いの飲み会で帰りが遅くなった後、数日間無視するとか。
酔っぱらって電車降り過ごして他府県まで行っちゃったときに何万もかけてタクシーで帰らせるのも鬼嫁だと思う。怖すぎる」
……。なんだか妙に熱のこもった具体的なエピソードだが、とにかく知人と鬼嫁談義で盛り上がっていることが伺えた。しかし私はどうしても、奥さん側の肩を持ちたくなる。だって私も嫁ですから。加勢させてもらおう。
「でもさ、それは積もり積もってそれだけされる様なことを旦那さんがしたって事じゃないの?だって、実家が新幹線距離にあるとか、それは本人にはどうしようもないし、飲み会の時も酔っぱらう前に帰れば良いじゃん」そうだそうだ、因果応報というやつだ。しかし旦那は違うでしょ、と。
「そういうことじゃない。やっぱり逃げた先の距離は重要だし、口聞かないのも嫌。失敗した時に関係修復のチャンスを与えないのはやっぱり鬼だよ」と言う。
鬼嫁エピソードをよくよく聞けば、実は超良い奥さんに見えてくる
しかしそこで私は思った。
「それって旦那さんは失敗してもコミュニケーションを取って許して欲しいって思ってるってこと?結局その失敗を軽く見てるってことだよね。奥さんはそれを見抜いて、キツめの制裁を与えているってことじゃない?」と。
「それもあるとは思う。でもさ、何万もかけてタクシーで深夜に家に帰ったら、奥さん、玄関に正座して待ってるんだよ??怖すぎるでしょ!!!!」
いやいやそれ、めっちゃ愛されてるから!鬼嫁どころか、超良い奥さんじゃん!!!!
私は玄関で正座して旦那を迎えたことは一度もない。行ってきますのお見送りはするけど、帰ってきた時は家事やら育児やらでそれどころではない(と言い訳をさせてください)。日付を越えて帰ってきても、「またいっぱい飲んだのかな~太っちゃうよ~」としか思わない。浮気の心配?したことない。
そういえば、新婚の頃は毎日「今日何時に帰ってくるの?(はぁと)」とLINEしていたっけ。その後は夫婦の間に事故や事件がなんやかんやあって、今では本当に必要な時(息子が駅まで迎えに行きたいと行った時や、旦那の方が早く家に着きそうな時)にしか、その確認LINEは送らない。その方が期待しなくて楽だから。麺は自分で茹でてくれれば良いし、息子達のお風呂も私が入れればいい。両者、ひとりでできるもん。
鬼嫁って結局、愛の形のひとつ。程度によっては全然「あり」
それに比べて、世の鬼嫁達の愛の深さよ。どれほど旦那に頼り、どれほど旦那に尽くしていることか。鬼嫁とは結局、束縛のひとつの形。程度によっては全然「あり」ということだ。
我が強い?美人だから調子のってる??そういうことではない。理想の夫婦像のために、会話のドッチボールをしているにすぎない。腕を大きく振りかぶってボールを投げまくるその姿は、時に鬼のような形相ではあるけれど。
結論として、鬼嫁の激しい豪速球愛を受け止められる旦那さんは、むしろ2人で幸せな未来を築けると思う。そんな旦那さんにとっては、鬼嫁エピソードは惚気話と同じこと。お互いに傷つくことなく、鍛え抜かれた関係性が構築されることだろう。
しかし、一方的にボッコボコにされながら奥さんに謝り続ける健気な旦那さんがいるとしたら、その人には「一生飲み会で知人に愚痴って息抜きしながら頑張ってください」としか言えない。あと、その飲み会は早めに切り上げてまっすぐ家に帰った方がいいですね。
う~ん、私も鬼嫁を目指してみてもいいかもしれないな。既婚者のみなさんも、是非旦那さんに聞いてみて下さい。「鬼嫁ってどういうことする奥さんだと思う?」って。案外ハートフルなエピソードが聞けるかもしれません。