私は現在、社会人2年目。ドラマー、ラジオパーソナリティ、Webライターとして活動している。新卒で入社した会社での経験を活かし、今後はホームページ制作にも取り組む予定。これら全部、両親にも親戚にも内緒。

2019年夏。新入社員としての研修を終え、無事本配属が決まった私は職場の近くに引っ越すことにした。大きな家具はトラックに載せ、貴重品や壊れやすいものは電車移動で新居に運んだ。
ただし、私が大学生のときから愛用していた楽器のキーボードは母親が運んできてくれた。トラックに載せては故障しないか心配だし、かといって私もキャリーバッグやリュックで手が埋まっていたから。

そして私より少し遅れて新居についた母親は、私にキーボードを手渡してこう言い放った。
「キーボード背負って歩くなんて恥ずかしかったよ。なんかいつまでも夢を諦められない人みたいじゃん?」
キーボードは私にとってはただの趣味なのだけれど、私は現在ドラマーとして活動している。楽器が異なるだけで、音楽活動に勤しんでいることに変わりはない。やはり内緒は内緒であるべきだと改めて肝に銘じた。

「安定した職に就いている人=正しい」と信じて疑わない身内

両親も親戚も、安定した職に就いている人=正しいという考えを信じて疑わない。実際親戚は皆、役所勤めや保育士等、いわゆる「安定した職」についている人がほとんど。逆に、そうでない者はひたすら目の敵にされる。もちろんターゲットは気まずさからその集まりに行くこと自体ないのだけれど、いないからこそこんなに悪口で盛り上がれるのだろうなと思う。

そんな親戚たちの話にいつも「Yes」とも「No」とも言わず、輪から離れてスマホをいじったり本を読んだりしている私。本当のことが親戚に知られたらいったいどうなるのだろうか…。親戚たちの話を聞くたびに、内緒は一生内緒にすると固く誓う。もしかしたらどこかのタイミングで運悪くバレるかもしれないけれど。

不安定な職に就く覚悟を持った人達を不用意な言葉で傷つけないで

両親や親戚に私のことを理解されなくたっていい。ただ、私の周囲にもバンドマンやカメラマン、シンガーソングライター等さまざまな分野で目標を追いかけている人がたくさんいる。彼らのことを考えると、さすがに心が苦しくなる。

彼らだって、自分のやりたい事だけを好き勝手やっているわけではない。生活のためにアルバイトをする人や、正社員と両立しながら時間を作って活動している人もいる。そんなことも知らずにただ「現実を見ずに夢ばかり見ているプー太郎」みたいないい方をするのは違うと思う。
不安定な職に就くことも、不安定な職に就いていることを周囲に話すことも勇気のいることだから。それを分かったうえで、皆覚悟をもって活動をしているのだ。

とはいえ、親戚たちのような考え方を持った人に今更私の気持ちを分かってほしいとは思わない。何を言われても今やりたいことを手放す気はないから。ただ、何気なく発した言葉が目標を追いかける人を傷つける可能性があるということを考えてみてほしい。

目標を追いかけるすべての人がやりたいことを手放さずに済むように

もしかしたら、周囲からの猛烈な反対や冷たい目に耐えかねて志半ば断念する人もいるのかもしれない。
心が折れ、自分の気持ちに嘘をついて、やりたいことを諦めてしまうかもしれない。やりたいことを見つけることすら難しい現代なのに、そんなことがあったら悲しい。
どうか彼らが、やりたいことを手放さずに済みますように。全ての人が、自分のやりたいことに素直になれますように。