私は現在高校生だ。
かがみすとの中で最年少だろう。
当然、校則で髪が染められないので黒髪である。
カラーができないと選べるのは髪の長さだけで、どうしても誰かと同じ髪型になってしまう。

似ていると言われるのは、自分のトクベツさが薄れてしまう感じがした

私の髪質は量が多く、広がりやすい。
同じクラスに似たような髪質の友達がいる。
長さも同じロングで背丈や体型も似通ってるので、周りから「二人はそっくりだね」と言われることが多かった。

その友達のことは好きだ。
けれども、似ていると言われるのは気に入らなくてもやもやした。
例えるなら、新しく洋服を買って意気揚々と着ていったら友達と被った時みたい。
わざと揃えてるなら問題ないけど、偶然かぶるのは自分だけのトクベツさが薄れてしまう感じがして、何だか嫌だった。

髪の巻き方も習得したし、あの時髪を切って良かったと思う

だから私は20センチほど髪を切った。
肩につかないくらいのボブにばっさりと。
失恋したレベルのイメチェンだ。

ロングに飽きていたし、髪を乾かす時間にもうんざりしていたからちょうど良かった。
髪を切ったことで頭も心も軽やかになって、髪を乾かす時間も驚くほど短縮されたからボブにして大満足だ。

今はセミロングほどの長さに落ち着いているけど、あの時髪を切って良かったと思っている。
気持ちが軽くなったのはもちろんだが、一番は髪を切ったことをきっかけに髪の巻き方を練習したことが大きい。
高校の入学祝いとして2wayのヘアアイロンを買ってもらったのに不器用でうまく使いこなせず、長らく放置していた。
前髪を巻くくらいで全然使えていなかったのだ。

これでは宝の持ち腐れだと、動画を見ながら練習した。
おかげでスムーズとはいかないけれどなんとなく髪を巻けるようになった。
髪が巻いてあるといつものヘアアレンジがぐっとおしゃれに見えるから不思議だ。
後れ毛を巻くだけでも印象が変わる。

髪がいい感じだと気分がいいし、適当な髪の日はご機嫌ななめ

髪が綺麗だと自信がつく。
自信があると、笑顔が増えて気持ちに余裕ができる。いいことづくめだ。
イベントごとの前日や気合いをいれたい日はいつもの洗い流さないトリートメントに加えてインバスのトリートメントを使う。

そうすると気分よく眠れるし、翌日も頑張ろうと前向きな気持ちになれる。
髪を乾かす時間は面倒くさいけど、乾かした後に櫛でとかし、トリートメントの香りを嗅ぐ瞬間が好きで堪らない。
女の子で良かったなぁって思う一瞬だ。

朝、時間があって丁寧に櫛を通しながらストレートアイロンで整えられた日は気分がいい。
以前、自分でも今日は髪決まったなって上気分な時に友達から「髪、綺麗にまとまってるよね。縮毛矯正してるの?」と聞かれた時は舞い上がるほど嬉しかった。
もちろん縮毛はしていない。

髪がいい感じの時は意味もなく触れたくなるし、反対に湿気でうねったり、巻きがとれたりすると鏡を見るたびに気になって仕方ない。
特に前髪が不調だとそれは顕著に表れる。
寝坊して適当な髪で家を出てきた日はご機嫌ななめだ。

髪を綺麗にすることは自信を纏うこと

髪は気分のバロメーター。
毎日コロコロ変わっていく。
朝はギリギリまで寝ていたいので頻繁にはできないけど、たまにヘアアレンジをする。

上手くはないが髪をいじるのは好きだ。外ハネにしたり、おだんごにしたり、ハーフアップにする。
髪を切ったりヘアアレンジをすると自分のテンションが上がることに加えて、友達が気づいて褒めてくれることもある。
褒められたら誰だって悪い気はしない。
だから私も気づいたらできるだけ反応するようにしている。

思えば髪は頭の大部分を占めていて、顔以外にこんなにも一目に触れるところはないだろう。
髪を綺麗にすることは自信を纏うことと同義だ。
いくつになっても女を捨てず、髪を美しく保っていたい。