「今日のご飯は何を作るとね?」
「うーん、寒いから鍋にするとよ!」

私はスーパーでカゴいっぱいの食材を買い出ししていると、よく知らないお年寄りの方に話しかけられる。
きっと20代の女性が大きな白菜やカゴから飛び出した大根を持ってウロウロしていたのが目立ったのかもしれない。
だが、それは昔からのことである。私の雰囲気が話しかけやすいのか、それともただ気になったから話しかけられるのかそれは分からない。

私は方言が大好き 盛り上がれば強く訛るし何より話しやすい

私は地方住みなのだが自分の県の方言が大好きだ。
そして方言だけではなく独特な訛りも気に入っている。もちろん標準語もしっかり話せるし、面接の時に訛るというような事はない。
しかし標準語で綺麗に話すよりも、方言を使った方が話しやすいとは思っている。盛り上がっている時はほぼ必ずと言っていいほど、方言と訛りが強く出てしまうのだ。

友達に指摘されて「若い子らしく」標準語をしゃべってみたけれど

以前、県外から転校してきた友達と話している時に「○○の喋り方おばあちゃんみたい。若い子はそんな言葉使わないよ。若い子らしくしないと変だよ」と笑われた。
私はその時はとくに何も思わなかったが、家に帰ってからというものその子の言葉が気になってしょうがなかった。
「若い子は方言はだめなの?」「若い子らしくってなに?」頭の中をぐるぐると疑問が駆け巡った。
「若い私は綺麗な標準語しか話したらいけないの?」「方言や訛りを使うことは若者らしくないの?」その子に質問攻めしたい気持ちでいっぱいだったが、さらにバカにされてしまいそうだったので何となくやめた。
私は話し方を気をつけるようになった。
若者らしく、方言や訛りのない綺麗な標準語。
何か言葉を発しようとする時も毎回頭の中で考え直して話すようにした。
とても疲れる作業であったし、盛り上がっている時も自分の発言の心配ばかりして他の人の会話が頭に入ってこなかった。

使い分けは大切、だけど方言で話す方が「私らしい」

スーパーでいつも話しかけてくるおばあちゃんと喋る機会があった。
私は友達に笑われて以来、自分の発言を気にしていたので標準語でおばあちゃんと話した。
おばあちゃんは「あんた、どうしたとね?きっちり喋って。何か寂しかねー」と私に言ってきた。私はその言葉を聞いて、急に自分が「若者らしく喋らないと」と思い込んでいたことがバカバカしく思えてきたのだ。
私はその日からまた方言を使って喋るようになった。きっと訛りもあったと思う。
もちろんTPOはわきまえて喋らないといけないし、使い分けは大切だと思う。
しかし「若いから方言はおかしい」とか「方言は若者らしくない」とかは気にする必要なんてないんだろうなと思えるようになった。

私は自分の県の方言を使って喋っている時が1番気楽だし、変に頭を使う必要もない。
方言を使うから若者らしくない。
そんなことは全くないし、これからも私は方言を使って喋っていくと思う。