スッと分けた髪をキュッと髪ゴムで結ぶ。ヒラっと軽い花びらの様な2つの毛束が、外に出ると風に身を任せ、フワッと舞い上がる。
ツインテール。それは、私が飛び立ちたい時の髪型。2021年私の宣言「今年も私はツインテールをする!」
周囲から「ツインテールの人」と思われる程、2つ結びは私の勝負ヘア
ツインテール歴、年の数かと思われる私。2021年に27歳になる。小さい頃の写真を見ると、髪型はツインテールが多い。耳より高めのものがあれば、低いものもある。小さい頃は、まだ髪の毛が短く、少しおてんばなツインテールになっていた。小学6年生の頃は、人生初の肩程の長さにカットしていたため、ツインテールがちょこんと小さく纏まっていた。
私の人生の大半はロングヘアである。だから、よく髪を結んでいた。おろしている髪型も好きだが、癖毛ということもあり、すっきりしないので結んでいた。
覚えている限り、中学1年生まで母に髪を結ってもらっていた。三つ編み、ポニーテール、サイドポニーテール、お団子、ハーフツインテールなど様々な髪型をやってもらっていた。しかし、ツインテールが多かった。自分で結い始めてからもツインテールが多かった。学校行く時も、何処かへ遊びに行く時も。
ツインテールの私は、安定していた。一時期、周囲に「ツインテールの人」と思われる程に。ツインテールは、自分の中で最もはやく結べる髪型であった。だから、急いでいる時にすぐ結ぶことができるのであった。
学生時代のテスト期間中の髪型は、絶対ツインテール。大学受験の入学試験もツインテールで挑んだ。いつの間にか勝負ヘアスタイルが、ツインテールになってしまっていた。大学時代もツインテールで登校することが多かった。テストもツインテール。スッと分けた髪をキュッと髪ゴムで結ぶ度に「やってやるぞ!」という気になった。強いパワーを得ることができるのだ。あくまで、私の場合。
ショーウィンドウには「勝負ヘアじゃない私」が街と同化していた
そのような私であったが、大学生活の終盤、強いパワーを得たいのにツインテールができない場面に出くわした。
それは、就職活動。皆同じようなまとめ髪にスーツ。非常に苦手だった就活メイクも当たり前の如く覚えた。「それが基本であり普通」と言われ、私も皆と同じようにしていた。
就職活動がない日、私は弾けていた。結びたかったツインテールをし、高校生の時から好きなロリータファッションに身を包み、街に出掛けた。“当たり前”に縛られることなく、外を歩くことができる。なんと自由に思えたことだろうか。ショーウィンドウには、輝いている私がいた。
しかし、社会人になり大人になっていくにつれ、世間の考えによる圧力が私を追い込んだ。「ツインテールは子どもの髪型」「大人でツインテールは痛い」「年齢に合った髪型を」そのような言葉を耳にする機会が増えた。
同い年の人々の写真を見ると、大人っぽいメイクに髪型、服。小物まで大人っぽい。ハイブランドの装飾品に身を纏っている人もいる。同世代向けの雑誌を見てもツインテールしている人がいない。TPOがあるので、私もその場その場に合った髪型、服装はする。同世代の人のように大人っぽく装うこともある。その時、ショーウィンドウには、街に同化している私がいた。
街に同化していく時間が長くなるにつれ、自由な日でもツインテールをしている時間が短くなったように思える。「あれ?今月ツインテールしてないじゃん」とふと思い出すこともあった。
「ツインテール」の私が、街に負けないくらい輝きを放てますように
だからこそ、宣言するのだ。「2021年27歳になる私は今年もツインテールをする」と。幸いなことに「痛い」という言葉ではなく、「ツインテール似合うね」「これからもツインテールして過ごしてね」と私を応援してくださる人もいる。
学生時代に比べて、確かにツインテールでいることができる時間は減った。それでも私は、ツインテールをしたい。ツインテールは、私の勝負ヘアスタイルなのだから。
スッと分けた髪をキュッと髪ゴムで結ぶ。準備万端。ヒラっと軽い花びらの様な2つの毛束が、外に出ると、風に身を任せフワッと舞い上がる。外の世界へ行ってきます。
ツインテール、それは私が飛び立ちたい時の髪型。また、力強いパワーを得ることができる髪型。ショーウィンドウにいる私が、街に負けないくらい輝きを放てますように…。