私は昔の時代を生きた人々が感じたことに触れることが好きです。
具体的には、物語や史実が紹介されている文章を読んで、当時の人はこんな 生活していたのかな? と想像することが好きです。

1000年も前の人たちが感じたことに、自分が同感できる瞬間

自分が高校生だった時に受けていた古文の授業中、先生から平安時代を生きていた貴族たちの十二単などの当時の華やかな服装、価値観、和歌を送り合うという彼らの生活について聞き、頭の中はキラキラと満開の花畑が広がっていくかのように、素敵だなとひたすら感じていました。

それと、例えば随筆や和歌など当時の人が書いたを読んで当時の人の考えに触れることが好きです。
一文字ずつ読むこのことで、当時の人が考えたこと、感じたことが時代を超えてポロポロと伝わってくる感じがとても良いです。

伊勢物語の中に「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という和歌が紹介されています。
この和歌は、平安時代の著名な歌人・在原業平が読んだとされるもので意味はもしも世の中に決して桜がなかったなら春を過ごす人々の心はどんなにのどかであるでしょう、というものです。

私がこの和歌を知ったのも、高校生の頃の和歌の授業中だったのですが、まず古典文法、単語の意味を聞いて和歌の意味が一つ一つ自分に伝わってくる感じだけでも面白かったのですが、確かに桜が咲いてそれを見るのはとても楽しいけれど、今年の開花はいつかな、満開になるのはいつかな、花見は誰といつどこでしよう、新しいカメラを買おう! など穏やかではないな、と同感できました。

1000年ぐらいの差がある時を過ごしていて暮らしとか価値観とか全然現代とは違う人がふと感じたことを現代の自分が同感できる、そんな瞬間がとても自分にとって刺激的でした。

あの人もこの階段登ったのかな? と考えを巡らす時間が好き

これに加えて、昔の時代の人物が実際に訪ねたスポットへ行くことも好きです。
そのスポットに昔の時代の人が行った時のことを思い浮かべ、頭の中は完全に◯◯時代へシフトチェンジ。

例えば、そのスポットに当時から残る絵があったら、あの人はこの絵を見たのかな? この絵を見てどう思ったのかな? とか。
建物の中に入ってみたときには、この階段登ったのかな? あの人がこの部屋から見た景色と今自分が見ている景色は同じかな、少なくとも同じ視点では見ることが出来ているのかも、ということをよく考えます。

私は幕末の長州藩士であった久坂玄瑞にハマっていて、彼が実際に訪れたという建物へ行きました。彼がその建物を訪れたという記録は残っているものの、どの部屋を使ったまでは分かっていないとのことで、「この部屋で話していたのかな? いや、違うかな?」と考えながらじっくり部屋の装飾とか雰囲気を感じてみました。

時代を超えて当時の人が使った建物に足を踏み入れることができただけでも嬉しかったのですが、当時の彼がその建物を使っていた様子を考えを巡らすのも楽しかったです。

これからも文章、美術工芸、建物などいろんな幸いにも遺っているものを通して色んな時代を超えて何かを感じた時の喜び・楽しさ・自分にとっての新しい気づきが出来たらいいなと思っています。