『人間関係』というものは私をいつも悩ませた。
なぜなら、小中高といじめを受け続けた私は人間不信になり集団行動が嫌いで、友達すらいなかったから。
遂には高校生に精神的に狂い、精神障害者となった。
生き地獄の人生。「この世から抜け出したい」としか思わなかった
統合失調症と診断された高一の冬から私の人生は今まで以上に生き地獄になった。
毎日、幻聴に悩まされ、訳の分からない恐怖心を覚えて心配性にもなっていった。
毎晩泣きながら家出や自殺を考えて「この世から抜け出したい」としか思わなかった。
強くなりたいだなんて、思うだけ無駄なんだと思っていた私はなかなか前に踏み出せずにいた。10年間という長い時間、希望の光も見えないくらい森の中を歩んでいた。
あの曲と出会うまでは。
紅蓮華によって、私の人に対するアティチュードが変わった
その曲が国民的大ヒットを果たしたアニメの主題歌、紅蓮華だ。
初めてLiSAの紅蓮華を聞くきっかけとなったのが、半引きこもり生活の10年後に私が通った障害者のための作業所で出会った1人の女の子だった。
彼女が偶然にもLiSAのファンで、好奇心で曲をいくつか聴いていた。
その中で一番カッコいいと思った曲が紅蓮華だ。
LiSAの独特なファッションにも惹かれて、私は彼女の虜になった。
紅蓮華に限らず、レコード大賞を取ったあの炎からも生み出される彼女の歌詞に頻繁に使われる、強くなるという言葉。
その言葉とその単語につながるフレーズが私に前向きで何事に対しても頑強な心を抱かせてくれた。
紅蓮華が主題歌であるアニメ、鬼滅の刃。
主役の炭治郎が曲のベースにもなっている意味もよくわかる。
鬼に家族を殺され、生き残った妹は鬼になってしまった。
でも、妹を人間に戻そうとするその炭治郎の強さをLiSAはとても鮮明に曲で描いている。そして強さの中から生まれる優しさも。
私もこの曲によって人に対するアティチュードが変わった。
どんな壁が待ち構えていても、今の私なら乗り越えられる
いじめを受けているときは涙しか出せなかった。
相手を睨むことすらできなかった。
やられてもやり返せなかった、あの悔しさを思い出させてくれたのが紅蓮華の歌詞だった。
あの歌詞が負けず嫌いの根性を作り出してくれた。
あの歌詞が人を敬い、人を救う愛情の大切さに気づかせてくれた。
私は今、学校に通いながら就職活動に励んでいる。
手探り状態の人間関係作りには今でも悩まされてる。
でも、心が温かいクラスメイトに恵まれて私は幸せだと思っている。
これから先、いろんなことが待ち構えている。
しかし、今の私ならどんな壁も乗り越えられる。
あの日の涙を、あの頃の地獄の日々を、LiSAの曲を糧にして。