ベッドから頭だけを出しスマホで時間を確認する。時刻は朝の2時。私の毎日は朝…と言えるのだろうか。真夜中の2時から1日が始まる。

まだ寝ていたい気持ちでいっぱいだが、目はパッチリと覚め、これ以上寝れる気がしない。
レモン水とコーヒーをレンジで温めて、スマホで溜まっているLINEの確認やネットニュースを見ながらちびちびと飲む。これが私の1日のスタートだ。

「毎日何してる?」不眠症で時間があり余る私は、即座に話題を切り替える

朝の時間がゆっくりあり過ぎるというほど余りきっていて「こんな朝から何をしよう?」と頭を悩ます私は、不眠症に何年も悩まされている。
同世代の友人は家事や子育て仕事でバタバタとした朝を過ごし「あっという間に1日が終わる」と嘆いていた。
それを聞いている私は家事はするが、結婚もしていないので子育ての必要もないし現在仕事もしていない。
この現状を情けなく思い、あまり自分の生活について他人に話したことはないと思う。

「一人暮らしいいなー。仕事もしてないの?毎日何してる?」私が1番苦手な質問。
「何してる?」って何答えればいいんだろう…
「えっと…掃除とか料理とか…」そんなありきたりのことを口をモゴモゴしながら答え、即座に別の話題に切り替える。
私が身につけたルーティンだ。
私は子育て、家事に忙しい友人が羨ましくて仕方ない。

就活の話題で持ちきりの友人たち。輝く姿に黒い感情さえ生まれた

大学4年生の私は1年間入院した。
毎日始発の高速バスと電車を乗り継ぎ片道4時間かけて通学していたのだ。
休学を許さなかった両親だったのでこうするしかなかったのである。
入院していることを誰にも言わなかった私は、きっと付き合いが悪いと思われていたと思う。
毎日学校が終わると急いでバスセンターに行き高速バスに乗る。バスに乗り遅れたら全ての時間が狂い病院に通えなくなるので必死であった。
私は「就活」にドクターストップがかかっていたのだ。
学校では企業説明会や面接練習、内定の話で持ちきりだった。
学校にスーツで来る友人もいて、みんなの姿が輝いて見えると同時に、羨ましい、嫉妬という黒い感情さえあった。
「○○はどこ受けるの?」悪気のない質問。
私は「まだ決めれてないんだよね」悔しさと惨めさで張り裂けそうな感情を抱きながら笑顔で返した。

大学を卒業し、変わっていく話題に入りたいけど入れない孤独感

大学4年の1年間はあっという間に過ぎ去り、それぞれが内定先を見つけて卒業した。
そして私は病院を卒業(退院)した。
新入社員となったみんなの姿はキラキラしていて羨ましかった。
大学を卒業したにも関わらず私が行き着いたのはニートという現実。
慣れない仕事に追われている、上司がうざい、学生時代に戻りたい。
そんなみんなの愚痴は私にとって自慢にさえ聞こえた。

そして今、昇格した、部下への指導、子育ての苦労。
みんなとの会話も変化しつつある。
私は今も体調の関係上定職に就くことが難しい状況だ。
会話に入りたい気持ち、入れない孤独感…
自分の本当の姿を誰かに言えればいいのだろうが、今の私には勇気がないし心配をかけたくない。
単なる見栄っ張りの強がりなのかなと思う時もたまにある。

だけどいつか私もお仕事したいと思うし、会話に入りたい。
就活生ではない私はきっと明日も2時に起きて求人案内を眺めるんだろうな。