「一緒に居て楽だし、付き合ったら楽しそうだな、とは思ったことはあるけれどそういう感情ではないんだよね」
これは、昨年好きな人に想いを告げた際に言われた言葉である。

いい人って恋愛対象になれないの?

新型コロナウイルスの影響もあり、思うように外出できない中、アルバイト先の人ととても仲良くなった。家にいる時間が多くなったので、シフトかぶった際に漫画を貸しあったり、相手の部活の練習を密にならない広い公園で感染対策をしながら付き合ったりした。初めはそういう気持ちでもなかったが、2人でいる時間が増えたり相手から誘われることが多かったり、相談をたくさんされて頑張っている姿を見ていると勘違いとかではなく自然と惹かれていくもので、気づいたら好意を寄せるようになっていた。そして、この友達以上ではあるが微妙な関係性が苦しくて想いを告げた次第である。
正直、今までに「めちゃめちゃいい人だよね」というような性格を褒められることは何度もあった。もちろんお世辞も混ざっているだろうけど、かなり仲良い人に言われることもあるので信じようと思っている。つまり「いい人止まり」の女なのである。

ここまで腹を割って話していたり二人でいる時間が長いかつ、付き合ったら楽しそうと思ったことがあっても恋愛対象にはなれない。初めはどういうことなのか理解できなかった。

この人といたら幸せだろうけど、彼は恋愛対象じゃない

親友と恋愛対象の違いを考えながら過ごしていたある日、男友達にご飯を誘われ、ご馳走してもらう機会があった。
恋愛関係や就活で疲れている私に、代わりにはなれないけど元気付けたかったと言ってくれた。自分の恋愛の状況を話しているぐらいだからとても仲が良いが、突然の誘いに驚いた。決してそのような好意を持たれていると思っているわけではないが、恋愛漫画などでこのようなシーンを見たことがある。その時、このような紳士的な人とお付き合いできたら幸せなのだろうな、と思った。
しかし、付き合ったら幸せだろうけれど、恋愛対象に入ることとは違うな、と思った。まさに、以前私が言われて疑問に思ったこと同じ現象が起こったのである。

素敵な人生を歩むために、自分に時間をかけてあげよう

このことを機に、シンプルに自分の魅力が足りなかったり、相手の友達としての範囲に入りすぎてしまったのだなと学び、自分磨きを頑張ろうと思った。自分磨きをしなければいけないのは当たり前なことではあるが、だらけた生活や考えをしている私にとっては大きいことであった。
自分の趣味にアイドル鑑賞があり、いわゆるオタク気質な私は自分よりも好きな芸能人などにお金を使うことが多かった。しかし、自分の好きなことだけでなく、自分のためにお金を費やすことはあまりなかった。なので、「いい人」を超えるなにかを得るために努力したいな、と考えた。これから魅力的な女性になるから、私を振ったことを後悔して欲しいな、なんて性格があまりよろしくないことを思ってしまったりもした。
今、彼には恋人がいるが決して幸せを願っていないわけではなくて、いつか、いつかそのような女性になりたいとただ自分に対する願いである。
人は縁というものもあるので、その人との縁がなかっただけであったり、付き合えたとしてもうまくいかないかもしれない。今回はそのような神のお告げだと信じて、素敵な人生を歩むために自分に時間をかけてあげたいなと思った。また、いつかもっと私にぴったりな相手が現れることを信じて、生きていようと思った。

決してこの恋心が消えたわけではないが、今自分にできることをしていきたいなと思った。21年間生きてきて、恋というものは盲目であり、一番心を揺さぶられる機会であるなと考えた。そのような機会が巡ってきている今、自分を返るチャンスであり、そのチャンスを流さないよう努力していきたい。