私はイメージコンサルティングに夢中になっていた時期がある。イメージコンサルティングとは個人個人の個性を見て、最も似合うファッションやヘアスタイル、メイクなどを教えてくれるサービスだ。パーソナルカラーや骨格診断に加え顔タイプ診断などもある。オシャレに関する総合的な診断が受けられるものだ。

困ってしまい、私服をプロに選んでもらい制服化しよう!と思った

私は障害等級2級の発達障害者である。発達障害は特性によりTPOに合った洋服をなんとなく選ぶことが難しいことが多い。服装に無頓着だったり、逆に感覚過敏などにより、こだわりが強すぎることがある。昨今は「オフィスカジュアル」だなんていう呪文のような言葉がある。ますます発達障害者は困ってしまった。そこで私服をプロに選んでもらい制服化しよう!と思いたちイメコンに足を踏み入れた。

私は10代の頃からKERAやCUTiE、Zipperなどの青文字系の服を好み、ド派手なビビッド色を使った服や強い女が着てそうな服に憧れがあった。憧れの芸能人も栗山千明さんのような「クールビューティ」系の人たちだった。そのためイメコンでもそういった服やメイクが似合うタイプだといいなー! どうすれば似合うようになるか教えてもらえるといいなー!とウキウキだった。診断を受ける前までは。

憧れとは正反対で好きなものは何も似合わないと落ち込んだ

診断を受けた結果私はブルーベース夏(ライトサマー)顔タイプフレッシュ骨格ストレートという結果だった。つまり薄い色味しか似合わない盛り耐性のない地味ブスで、どすこいりんご太り体型ということだった。もちろん先生はいいところを羅列してくれるけど憧れとは正反対で好きなものは何も似合わないということが分かり落ち込んだ。もう好きなものは着れないしメイクにも使えないんだ。だって似合わないんだもの。先生に自分のなりたいイメージを伝えたところで「うーん。難しいですね……。背伸びするより、自分の良いところを活かして伸ばしていきましょう!」と言われてしまった。プロでもお手上げなんだ。私はクールビューティーにはなれないんだ。ガッカリだ。生まれ持ってのブスなんだ。鬱々とした気持ちで診断を終えた。

それからはSNSで自分のタイプに合う「好きではないけど似合う服やメイク」を研究した。制服化するために買う服などを物色した。どうやらファストファッションが使い勝手が良いようだった。経済的にはありがたいが正直言ってつまらない。トキメキを感じないコーディネートやメイクを眺めて練習していた。

好きなものを突き詰めればその人だけのスタイルになるんだ!

しかしある日またイメコンについてSNSで検索していた時、驚きの一言を見つけてしまった。それは「松崎しげるはブルベ冬!」という言葉だった。松崎しげるさんといえばこんがり焼けた健康的な肌が印象的な方だ。対してブルーベース冬は透き通るような色白肌というイメージが強い。このとき私の中で何かが変わった。似合う似合わないに振り回され過ぎなくていいんだ。好きなものを突き詰めればその人だけのスタイルになるんだ!と思った。

今は教えてもらった似合うものを顔周りなど上の方に、自分の好みはバッグやシューズなど小物で使うようになった。クールビューティー系で印象的なキリッとした跳ね上げアイラインの猫目はどうしても自分には似合わないのでその分、強い女が使ってそうなリップの色を使って遊んでいる。結局、制服化はなかなか出来ていないがとても楽しいので良しとする。「似合うもの」つまり「ありのままの自分」と自分の「好き・憧れ」を突き詰めたなりたい自分との埋め合わせを少しずつしながらオシャレを楽しんでいる。松崎しげるさんはありのままの自分がなりたい自分と正反対でも落ち込む必要はない事、好きを諦めないことを教えてくれた。