「今日はオレンジジュースが売ってる自動販売機を見つけてから帰ろうかな」
私は帰り道、よくこういうことを考える。何か考え事をしている時や、仕事がひと段落した時、私の中で勝手に始まる「〇〇見つけるまで帰れませんゲーム」
趣味の散歩から派生した、お題をクリアするまで帰宅できないゲーム
ルールは簡単。最初に決めたお題をクリアするまで絶対に家に帰れない、ただそれだけだ。お題を決めるのも本当に適当で例えば、タバコの自動販売機や一文字の名字の表札、黒のコートを着ている人を見つけるとか、コンビニのおかかおにぎりを探すなどなど。その日に決めた「それ」が見つかるまでひたすら歩き続ける。行ったことのない方向に進み、気が向いた方に曲がる。
上手く行けば5分弱、調子が乗らなければ数時間。1度あまりに遠くまで行き過ぎて帰りは電車で……なんてこともあった。
もともとの趣味である散歩から派生したこのゲーム。ものすごく考え事をしていた日、リフレッシュしようと外に出たはいいものの、歩く度にその考え事がぐるぐる頭を回り続けていた。しばらく経っても、特に頭の中が整理される様子がなかったので、「いつものポストまで行ったら引き返そう」と思い私は歩いていたのだが、一向にそのポストにつかない。どうやら私は周りをちゃんと見ておらず道を1本間違えて歩いていたらしく。そうして数十分。すっかり日が落ちてしまったころにようやく私はポストを見つけた。「ようやく帰れる!」そう思った時、いつのまにか頭の中が考え事ではなく、゙ポストを見つける゙になっていることに気がついた。そして、さっきの考え事が急に客観的に見えたのだ。その時に気がついたのだ。これが私の頭の中の整理方法なのだと。
ゲームをしなければ出会えなかった新しい発見が面白くてワクワク
このゲームは私の生活にとって欠かせないものになった。そうすることで考え事でいっぱいの脳を一旦別の思考で埋めて、上手にリフレッシュしたり、リセットしたりしてくれているのだ。
ちなみに今はゲーム自体が楽しくて考え事がなくても、外を歩いて、自然や街の音に耳を傾けながら、街を探索する。
知らない道を歩くと新しい発見も沢山ある。普段通る道の1本奥の道に入ってみるだけでそこには全く違う世界が広がっている。このゲームをしなければ見つけられなかったお店や公園なんかも沢山ある。「それ」を探しに行く度に、私の住んでいる街の知らなかった姿を見つけられるのがたまらなく面白くてワクワクするのだ。
このゲームは新しい発見に溢れている。大人になると少しづつ忘れてしまうワクワクなんかも、思い出させてくれる。そういう小さな発見に溢れている毎日を私はすごしていきたい。