“らしくないやん”
大学の時の友人に言われたセリフだ。わたしは社会人1年目、友人は6年制の大学だったため当時まだ学生だった。

これでいいのか。週末はひたすら休息をとり、月曜からまた必死で働く私

当時のわたしは元々興味があった分野の職に就くのを諦め、声をかけてくれていた違う分野の職場で働いていた。新人の教育体制や職場の待遇もそれなりに良い。上司は厳しかったが、叱責も愛の鞭で、ここで働き続けて頑張ればその分野のスペシャリストにもなり得る。やりがいはあった。

ただ、これでいいのかと時折考えてしまう自分もいた。職場のレベルについて行くのに必死で、職場と自宅の往復を毎日繰り返す。週末はひたすら休息をとり、月曜からまた必死で働く。好きな分野の研究に励み、夜な夜な友人たちと飲みに出歩いたうえ、休日はアクティブに動き回る学生時代のわたしは見る影もなかった。

“まともに社会で働いたこともないくせにいまのわたしの何が分かる。”
友人の言葉にその時のわたしはそう思った。

大学時代の友人との久しぶりの飲み会は楽しかった。学生の時のように何も考えずドンチャン騒いで、泣いて笑って、ただ今を楽しんだ。
飲み会のあと数日経ち、数週間経ち、今までと同じ日常を過ごすうちに次第に考えるようになった。
“わたしはいま何のために頑張っているのか。”
やりたい仕事もせず、プライベートを楽しんでもいない。こんなのわたしが過ごしたかった社会人生活じゃない!我慢してることも窮屈な生活も全部バカバカしい!!

仕事を退職し、やりたい分野での仕事も見つかった。今を楽しむことが青春だと気付いた

それからわたしは当時の職場へ退職を申し出た。やりたい分野での就活も始めた。時間はかかったが、希望の条件の職場に入ることができた。

プライベートでもやりたいことは全部やった。車で行けるところならどこでも行き、かわいいカフェに楽しいランチ、きれいな景色をたくさん見た。体力だけはあったため、時間の許す限り、アウトドアに旅行に何でもした。
少しでも興味のあることに誘われれば迷うより“YES”と答えて、とりあえずなんでもやってみたし、恋愛においてもそれは同じだった。元々、好奇心が人よりも少しだけ旺盛だったのもあり、いろんな人を知る機会があれば二つ返事でのってみた。(そのおかげで楽しいことも面白いことも傷つくこともたくさんあったわけだが、それはまた別のお話である。)

学生生活だけが青春じゃない。アホみたいに楽しく、今を楽しめればその時が青春だ。わたしの20代も紛れもなく青春の真っ只中である。

時間は有限だ。優先すべきはいかに”らしく”生きられるか

“らしくないやん”
言われた時はチェッと思ったわけだが、今となってはあの言葉があったから人生が変わった。時間は有限だ。
特に、自由で柔軟で純粋な気持ちでその瞬間を楽しむことができる若い時間は、長い人生において最も貴重なものの一つであることは間違いない。耐えて堪えて頑張ることも時には必要である。
しかし、やりたいことが明確にある時、優先すべきはいかに“らしく”生きられるかだ。