幼い頃は結婚ってキラキラしてて、好きな人とずっと一緒にいられる約束みたいなものだと思ってた。でも、そんな素敵なものじゃないことを知った。
結婚願望を無くした中、見つけた結婚したい人。なのに…
結婚って好きな人とするのが当たり前だと思ってたけど、両親は違ったみたい。
なんで結婚したのか母に聞いてみたら「勢いだよ。断れるような雰囲気でもなかったし。」だって。「どんなに仲のいい夫婦も何十年か経てばみんな仲悪くなるもんだよ。ずっと仲のいい夫婦なんていないよ。」なんてことも言ってたっけ。そっか、好きな人じゃなくても結婚はできるのか。ずっと好きな人と幸せに暮らすのは無理なんだ。
これを聞いた私はそれまで結婚に対して抱いてた憧れが一気になくなってしまった。
好きな人と幸せになりたくて結婚するはずなのに、結婚したら仲が悪くなってしまうなんて悲しいから結婚しない方が良いのかもしれない、なんて考えたり。
だから私はこの言葉を聞いた頃から、恋愛に対しては興味を持たなくなった。結婚なんて他人事。自分は一人で生きていくんだ。こんな風にきっぱりと諦めることができたのは、私が異性を好きになれない事が大きな要因だろうけど。
なんとなく男の子より女の子が好きだった。そのなんとなくが今では確信に変わっている。私は同性である女の人が好きだ。そんな自覚を強く持てた頃。私は彼女と出会った。この出会いは私の恋愛観を大きく変える出来事だった。
言ってしまえば私の一目惚れなんだけど、まさか私が誰かを好きになる日が、私から告白する日が来るなんて思っていなくて。だってほんとに興味がなかったから。恋愛話で盛り上がっている世間も、結婚も。別世界だと思ってきた。
なんで好きになったの?って聞かれても答えられない。だって気付いたら好きになってたんだもん。こんな風に書いてしまえるくらいに私は恋愛面で変わったのだ。
一番変わったことは私が誰かを自分から好きになったこと。次に変わったことは結婚願望が芽生えたことだ。今年で23になる私だが、結婚に対してどうでもいい、自分には関係ないと思っていた月日の方が長い。そんな私が近頃彼女と結婚したいと思うようになった。まあ、日本で同性婚は認められていないんだけれども。
これに関して私は悔しさと怒りしか抱けない。異性愛者は婚姻届を出せば結婚したことになる。そこに想い合った月日は関係ない。でも同性愛者は?何十年添い遂げようが結婚することができないのだ。どれだけお互いが想い合っていても。異性愛者と同性愛者の関係はまるで正反対に映る鏡みたいだ。
好きな人とずっといられる結婚の契り。同姓でも生涯を共にできる世界を
私の両親はお互いのことが好きで結婚したわけではない。でも私はこんなにも好きな彼女と結婚することはできない。ただ性別が同じというだけなのに。好きでもない異性同士は当たり前に結婚ができて、夫婦になればもらえる権利を当たり前に享受できて。
でも私たちは?世間から認められてもらえないのだろうか。何か迷惑をかけたことなんてあるだろうか。結婚することが認められて困ることがあるのだろうか。結婚したい気持ちは強くあるのに、その事を考えると悔しさと悲しさで胸がいっぱいになる。ただ好きな人と生涯を共にする誓いを国から認めてもらいたいだけなのになあ…。
私は私に「あなたが抱いていた結婚に対する想像は間違ってなんかいないよ。」と言いたい。結婚したらどんなに好きな人でも嫌いになってしまうのだろうか、なんて考えて悲しんでいたあの頃の私に。そんなに悲しむ必要はなかったんだ。小さい頃に私が抱いていた「結婚はキラキラしてて、好きな人とずっと一緒にいられる約束みたいなもの」。これは間違いじゃないんだと。
結婚したらどんなに仲がいい夫婦も仲が悪くなる?ずっと仲のいい夫婦なんていない?そんなわけないだろう。私は私自身でそれを証明したいのだ。好きな人と一生を幸せに暮らすことはできるのだと。そして私は間違っていなかったのだと。
だから今は、せめて生きている間に同性愛者同士の結婚が認められることを心から願っている。