名前も忘れてしまった恋人へ。突然別れを言い渡してしまってごめんなさい。
先に言っておくけど、あなたとの思い出は華やかではなかったかもしれないけど、私にとってはとても大切な思い出です。
もっといい人がいると思って、別れることを選択した
あなたはとてもできた人で、誠実で、まじめで、私をいつでも受け止めてくれて、優しく包み込んでくれました。
私が片づけが苦手なことも理解してくれて、家に来るたびに掃除から始まるおうちデートはいつも少し不思議な気持ちにさせられていました。でもとても助かっていたし、「なんで片付けてないの」とか「汚い」とは言わずに「片付けしようか!」と明るく言ってくれていたこともうれしかったです。
でも私の病状が悪化するにつれて、私はどんどん自分のことで精一杯になって、せっかくしてくれた連絡も、ひどいと1週間ぐらい返さなかったりしたのに、それを責めることなく普通に返事してくれてうれしかった。
でもその反面、どう思われているのかがだんだん怖くなっていってしまったの。もしかしたらほかに女の人がいるのかなとか、毎週末会っていたのも、私の体調が悪かったせいでだんだん会わなくなっていって。
こんな彼女でいいのかなとか、もっといい人がいるとか勝手に思って、あなたと別れることを選択してしまいました。
「俺は君に幸せになってほしいから、別れようか」
あの日、あなたは別れを告げられることが分かっててうちに来て、「絶対別れ話だよね」とか言いながら、笑ってた。
玄関に二人で立ったまま話をしたね。わたしは必死に目を合わせないようにして、冷たく「別れよう」としか言わないで、理由を聞かれても「疲れた」とか「めんどくさくなった」とか、最低なことしか言わなかった。
でもあなたは笑って「そっか。負担になってるなら、俺は君に幸せになってほしいから、別れようか」って言って、「じゃあね」って、いつも帰るときみたいに、手を振って帰っていった。
ドアを閉めた瞬間から、私の目からは涙があふれて止まらなかった。本当に好きな人を手放すってこういうことなんだって思った。
もっとあなたと一緒にいたかった。いろんなとこに出かけて笑いあっていたかった。私の作ったご飯を食べて「おいしい!」って笑う顔をもっと見たかった。
最後の最後まで私のわがままに付き合ってくれたのに、それに嫌味も言わないで、最後まで笑ってくれていたあなたは本当に素敵な人だったんだなと思います。
あなたの幸せを心から祈っています
今、わたしは別に好きな人ができて、その人とお付き合いさせてもらっています。
その人はあなたほどではないけど、優しくて、誠実な人です。
あなたはきっと素敵な人と出会って、私に向けていたような笑顔をその人に見せているんじゃないかなって思います。もしかしたら、もうすでに結婚しているのかもしれないね。そうだったら、結婚おめでとう。
一方的に突き放すような別れ方をしておいて、言えることじゃないけど、あなたの幸せを心から祈っています。
きっとあなたは子供ができても、子供思いないいパパになると思います。
わたしもいま、幸せに生きているよ。
あなたと出会えてよかった。ありがとう。さようなら。