私の目は一重だった。母は二重。父は一重。

まぶたには、一重と二重があるなんてことに気がついたのはいつのことだろう。
小学生の頃、目つきが悪いと言われたことがあった。誰に言われたかも今では忘れたけど、ショックを受けた。

私は毛深かった。腕も脚もたくさんの毛が、濃く生えていた。プールに入る時、体育の授業の時、いつも腕と脚を出すことが嫌だった。小学生の時に、男子の指に毛が生えていることを、面白がってからかっていた女子がいた。私は咄嗟に手を後ろで組んだ。その男子よりもしっかりとした毛が指に生えていたから。

私は背が高かったし、ガタイが良かった。幼稚園の頃に気がついた。同級生のみんなと、園の外を散歩していた私達を見て女子高生が「可愛い~!」と言っていたが、私はその中には含まれていない、そう思っていた。

「私アイプチやねん」「そんな綺麗に出来てるなら、もう二重やん!」

子どもの頃、一重で、毛深くて、背が高いことが嫌だった。しかし、それを元に私をひどくいじめて来る人は誰ももいなかった。それだけが唯一の救いだった。

目について。目つきが悪いと言われたのはショックだった。指で二重の線を一日中つけていたこともあったが、何も変わらなかった。

高校に入学した時、アイプチを始めた。高校は化粧禁止。入学式の日からつけて行き、バレないように技術の向上を目指した。その甲斐あってか、一度もバレることはなかった。大学生になった時、友人、彼氏、周りの人に「私アイプチやねん」と公表することにした。「え、ほんまに?上手すぎてわからんで!」「そんな綺麗に出来てるなら、もう二重やん!」。そう言ってもらえて、むしろ褒められてる、嬉しいと思った。

毛について。毛が濃いことをお母さんに相談していた。辛さは理解してくれたけど、当時は脱毛もあまり主流じゃなかったし、剃ると濃くなると言われたし、解決策がなかった。中学生までは嫌だと思いながら過ごした。高校生になって、毛を剃り始めた。制服のスカートも好きになった。でも、毛が濃すぎて毎日剃っても夕方には毛が生えてきた。しかも毎日剃るもんだから、肌も乾燥してカミソリで血を流すことも少なくなかった。

社会人になって、医療脱毛を始めた。これまでの人生で一番高い買い物だったけど、効果は十分だった。完全に毛がなくなることはなかったが、明らかに薄くなった。彼氏も褒めてくれた。しかも、医療脱毛は毛が濃い程効果も実感しやすいようで、得した気持ちにすらなった。

自分の体の特徴を「自分らしい」と思えるようになった

体型について。中学生までは背が高い方だった。高校生になって、「背高いのいいなあ」と言われるようになった。幸い、自分なりに丁度良いところで成長が止まった。ずっとガタイが良くて嫌だと思っていたけど、普通かもと思えてきた。今では、身長は高い方だけど、高すぎない、どんな服も長さが丁度よくて、満足な体型になった。ただ、付き合った彼氏には「背が低くて華奢な子がタイプなんだよね」と言われて泣いた。

28歳になった今。アイプチ歴11年だったが、昨年見事に卒業した。理由は、調子が良い時は二重になるようになったから。それに加えて、一重の自分も個性的で良いかもと思ったから。

毛に関しては、医療脱毛も経験して濃さも量も一気に減った。それでも毛が薄い人よりは生えてくるけど、カミソリ処理も最低限にした。毛が伸びていても、問題ないんじゃないかなと思うようになった。そして、自分の身長は自分らしいと思うようになった。彼氏から言われたことも、タイプじゃないのに好きになってくれたって、すごくない?とすら思う。

コンプレックスを受け入れられたのは、誰にも「否定」されなかったから

子どもの頃から悩んでいた自分の嫌なところ。今になって気がついたら全て解決していたし、一重だったから、毛が濃かったから、背が高かったから、感じられた気持ちがあったとさえ思う。大人になったからコンプレックスも冷静に捉えることができるのだろうが、私がコンプレックスを受け入れられた一番の理由は、誰かに否定はされていないことだと思う。

目つきが悪いことを言ってきた人も、私の顔を否定して言ったわけではないと思う。私自身が周りを見て、自分の劣っている部分を見つけ出していた。自分で発見したコンプレックスを私は自分で解決しようと努力をした。努力をしていることを周りの人はむしろ褒めてくれたり、見た目そのものを良いところと言ってくれたり、コンプレックスがあったおかげで良い思いをしたのではないかとさえ思う。

今の自分の見た目には満足している。次は中身の磨きをかけていきたい。