生きているだけでお金がかかる。
仕事がないと暇だ。
人と関わらないと心が弱くなる。
これは私が無職期間に分かったことだ。

夫にゆっくりしていいと言われ、余計に不甲斐なさが増した

無職の間、生活にかかるお金は自分の貯金から出すと決めていた。
家にいるだけで、電気代はかかるし、移動するのにもお金がかかる。ただの無職の人が実家に帰るのにも何万もかかるので、実家に帰ることは選択肢になかった。働いてなくても、お腹はすいちゃうなあ。

一日何の成果も出せなかったことに焦って眠れなくなり、次の日起きられないを繰り返す。かといって早く起きたところで何をしたらいいかわからないし、結局適当に映画をみてだらだら過ごす。気がついたら昼寝をしていた。ああまた夜眠れない……。

極力やりたくないことを避けるとやることが残っていない。
このままじゃ預金残高はどんどん少なくなる。

そんな状態でも文句を言う人は誰もいなかった。
夫にもしばらくゆっくりしていいと言われたが、その言葉で、余計に不甲斐なさが増した。
辛い……。
結局心も体もお財布にもよくない生活をしていて、それに限界がきてしまった。

少しずつ探し始めた職探し。やることがあるって幸せだな

外の世界に出ようと職探しをはじめた。
28歳女性という絶妙なタイミングだったので、正社員にするかパートにするか迷いがあった。
子供は欲しいけど、今しか稼げないかもしれないし……。手当を考えると、正社員がいいのはわかる。でも、子供ができてから、正社員で働く自信がない。パートなら辞めやすい? でも、子供ができる保証はない。

仕事と子供この二つについて色々考えて、思考停止して、結局動けずに1か月以上もぐずぐずしていたのだ。
周りの関係ない人に正社員で当たり前みたいな考えを押し付けられて、ああそうかとおもったり、子育てしている友達を見て羨ましく思ったり……。

それでも何かはしないとダメだとわかっていた。
答えは出せないまま、履歴書を書いて、写真を貼って少しずつ動き始めた。
面接を受けるために、やらなければならいことを一つずつこなして行くのが楽しかった。やることがあるって幸せだな。

そして正社員で応募した。とりあえず3年くらい働けたらいいな……。
「お子さんのご予定は?」
面接でやっぱり聞かれた。
夫は単身赴任で今のご時世いつ会えるかもわからない。子供を作るタイミングなんてないのに、どうやって妊娠するの?
「今のところ考えてないです。」と嘘をついた。
面接は落ちた。

仕事ができる喜びをより感じられるように

だけどなんだか喜んでいる私がいた。
本当は早く子供が欲しい。しばらくは妊娠しないつもりで就職するのが嫌だったんだ。
やっぱりパートにしよう。前回よりも前向きな気持ちでパートに応募した。パートはすぐに決まった。パートで入れる最大時間まで働けることになった。

一日中、家で一人きりで過ごす生活が終わる。
この1ヶ月はなんだかんだ貴重な時間だった。気分が落ちることも何度もあったけど、人と関わる喜び、仕事ができる喜びをより感じられるようになった。

仕事が辛い時は、何もしないで一人でいた時間よりはマシと思えるだろう。人と関わる仕事。休みもたっぷりある。家にいる時間も、外にいる時間も充実させよう。

働かない理由は今のところまだない。次仕事を辞める時は、嬉しい理由だといいな。
夫の帰りを待ちながら前向きに生きる。未来を楽しみに、心も体も元気に働こう。