2020年11月。私たちは遠距離恋愛になってから2年半経っていた。コロナウイルスの流行で以前よりさらに会えなくなっていった。

ある日私は「zoomで顔見て話そう!」そう提案した。
彼は、うつ状態で仕事にも行っていなかった。そんな状態でまともな話ができるのか…分からないけど、これまで通り自分らしくふるまった。「仕事でこんなことがうまくいって、嬉しくて…」と話をしていくうちにどんどん彼の顔が曇っていって、上の空になって、返事も適当…。

あ、こんな話はしないほうがよかったのか。と気づいた時にはもう遅い。最悪の空気感が漂っていた。私はこの人と一緒にいたくない。そう思い、ブチっと画面を閉じた。
そしてラインを送った。
「別れたい」
このままでは負のループにはまるだけ。お互いのためによくない。私が私らしく生きられない。そう直感で思った。
「わかりました」
そう一言だけ返ってきた。

別れを認めきれずにいたけれど、確信に変わった

これまでにも、別れたほうがいいのではないか、別れよう、やっぱり別れたくない…そんなやりとりがあった。
「俺、離れてると付き合っている感覚わすれてしまって、ほかに気になる人ができちゃうんだ…」
え、それってもう私を好きでなくなったってことだよね。そのころ私もほかにこの人いいなって思う人がいた。ただ、一度はこの人と結婚してもいいかもと思った人だし、支えられている部分もいっぱいあった、そんなことで別れるような仲なのか、…と別れを認めきれずにいた。
でも、zoomをしたその日、確信に変わった。

何をするにもお姉ちゃんのマネばかり…

それまで、遠距離恋愛の間、私は自分の過去と向き合うことをしていた。
そこで、私の過去の人生の中には年が2つ上の姉の存在がでかすぎたことに気づく。

その姉は、小さい頃から変わり者のひょうきんな私をキモイ、キモイといってくるもんだから、私も反抗していつもけんか。お姉ちゃんには負けたくない、私だってできるもん、そのライバル意識はとても強かった。

けど、何をするにもお姉ちゃんのマネばかり…お姉ちゃんが持っているもの、やっていることがかっこよく見えて、同じ雑誌、部活、服のセンス、文字、ラインの文章の書き方…そして彼氏の顔さえも…マネをしていた。

それでやっと気づいた。私は幸せそうな姉がうらやましくて、姉と同じことをすればうまくいくんじゃないか…無意識のうちにそう思い込んでいた。

これからは自分が本当に好きなこと、好きな人に出逢うんだ

姉妹だから見た目は似ているところはあるけど、まったく姉とは好みも違うはずなのに…私が好きだと思っていたこの人は姉の旦那に顔が似ている、私も姉と同じように幸せになれるんじゃないか…ハッとした。私は完全に姉に惚れている。
そう気づけていたことであの日の別れはきっぱりだった。

これからは自分が本当に好きなこと、好きな人に出逢うんだ。じぶんに正直になることに決めた。
たくさんのことを気づかせてくれて、好きにならせてくれて、好きになってくれて、楽しい時間をくれた彼には感謝をして、新しい自分になろうと思います。