ちゃんと好きになって、ちゃんと思い悩んで、失恋の痛みを知ったのはつい1年半前ほどだ。その時の私は、どう考えてもおかしかった。

何度も粘り強いアタックを受けて、友達から恋人になった彼の事が好きで好きでたまらなかった。そんな風にして付き合った彼とは、こんなに相性が合う人はもう2度と現れないだろうと思っており、いわゆる盲目状態であった。
3ヶ月、4ヶ月と経ち、私の熱は上がる一方で相手の熱はしっかりと下がっていった。
私はしっかりその温度差を感じていた。思い悩みすぎだと考えたが、やはり、胸が苦しかった。

でも過去にしてくれたこと、たまにくれる嬉しい言葉などから、「いや、相手の好きな気持ちは嘘ではない!」「相手も私のことが好きなはず!」と必死になって結びつけていた。
それまでは、良くあることなのかもしれない。

もはやこれは恋ではなく、依存であり執着だった

しかし、彼が私のことを好きじゃなくても私が好きで、彼が私のことを振らないならいいじゃないか。私から振らなくても。私がわざわざ別れる選択をする必要はない。終いにはこんなことを考えていた。
情けない。恋をする女の子はこんなにも惨めなものか。痛々しくて仕方がない。
もはや、恋ではない。依存である。執着である。そんな依存をしているということも分かっていた。
ただ、私の心はボロボロで、自分の見た目やそれまで好きだったことなども一生懸命になれず、ずっと心ここにあらず状態。
目の前の彼のことしか見えておらず、この1、2ヶ月は情緒が安定していない状態だった。

そんな当時の状態の私のことを好きだと言ってくれる人は現れるわけがないだろう。
私だって大嫌いだ。
散々好きになって、最後まで好きで居続けて振られたら後悔もしないだろうという私の考えだった。
そんな考えを持っていた。そんな選択をしていた。

耐えきれなくて切り出した別れ。この経験で気付けるようになったこと

耐えきれず、気持ちがないならあなたから振ってほしいと私が言うことで、お別れすることになった。
もちろん、向こうはもう私のことは好きではなかった。

当時の私は、ボロボロになるまで好きで居続けた。
そこまでボロボロにならなくてもいいのに頑張ったな。辛かったね。
ごめんね。こんな選択をして。
でもね、その経験があったから同じように悩む人の気持ちが分かるようになったんだよ。
今まで、友人に恋愛相談をされても、そんな相手、さっさと別れればいいのにと簡単に言っていたし、心の底から思っていた。

そんな簡単に別れれたら、悩まないよ!と気付かされた。
そして、その経験があったから、今は私を大切にしてくれない人と別れることもできるようになったんだよ。

当時の私に辛くて痛い思いをさせてごめんねと言いたい

辛いのは一瞬。案外、すぐに好きな人や好きになってくれる人は現れるもので、執着心や依存心を抱かなくても私は十分魅力的と考えるようになった。

当時の私、ごめんね。
辛い、痛い思いを味わったけど、それは全て今後の経験に繋がるものだから。
だからその時の選択は間違ってはなかった。
辛い思いを味わいながらする選択しか私には思いつかなくて、ごめんね。
正直、今もその選択は正解だったと思ってしまっているよ。
ボロボロになったのに。
ただ、この選択があったから、少しでも人の気持ちが分かるように、少しだけでも優しい人にはなれたとは思うよ。

ごめんね、そしてありがとう。