ちょうど1年前、私は部活の先輩に告白し、ふられた。

大学で男子の体育会のマネージャーになり、部活内の人と恋愛する気は全くなかったのだが(今さらこう言っても説得力が無いが)、入ったばかりの頃からよくしてくれた先輩に次第に惹かれてしまった。

大好きな先輩にバレンタインチョコとラブレターを渡した

先輩は4年生だったので、引退を待ってから本格的にアプローチをし始めた。けれども、向こうから私に対して積極的な動きはなく、私の片思いなのだと感じていた。

それでも簡単には諦められず、気持ちをちゃんと伝えてけじめをつけることにした。そう決めたのが、バレンタインの時期だった。先輩に会える機会がその頃あったので、バレンタインのチョコと気持ちを書いたラブレターを用意し、こっそり先輩を呼び出して渡した。

その日の夜遅く、お断りのLINEが送られてきた。「気持ちは嬉しいけど、部活の仲間を恋愛対象としてみることはどうしてもできない」ということだった。

実際の文章はもっと長く丁寧で、先輩の精一杯の優しさが滲み出ていた。今思い出そうとしてみたら、ほとんど正確に覚えていて、私、怖いなと我ながら苦笑いしてしまう。

それまで恋愛相談をしていた各方面の友人たちにその内容を伝えて、自分でも何度も読み直してという感じで覚えてしまった。

外見ばかりで、内面をしっかり磨いていなかった「自分」に目が覚めた

当たり前だが、ふられた当時は本当に悲しく、諦めなくてはいけないとわかっていてもずっと先輩のことだけを考えていた。女子力をアップさせた(つもりの)自分の姿の映った写真、Instagramにアップしたら先輩も見てくれるかな。いいなって思い直してくれないかな。

そして、もう少し経ってまた告白したらダメかな。好きな気持ちは隠すから、会話だけでもしたいな。こんなに先輩を好きなのはきっと私だけなのに。ああ、話しかけたい!

しかも先輩が、大学4年生だというのに人生で一度も彼女がいたことがないというのにも、ムカついた。「もう私でいいじゃん! 私で遊んだっていいのに」と思っていた。なんで私ではダメなのだろうと、その頃ずっと考えていたと思う。

最初は、私の容姿が先輩の好きの基準に達していないのだろうと思った。断る理由としては「部活の仲間を恋愛対象として見られない」ということだったが、それは傷つけないように断った先輩の優しさだということはわかっていたからだ。だからできる限りの外見磨きを頑張ろうとした。

しかし、あるリアリティーショーで、最初はいい感じの雰囲気だったのに、美人な子が好きな男子に告白してふられてしまうというのがあり、それを観てふと考え直した。

私、外見云々の前に内面が不十分だったのかもしれないと。先輩にアプローチしていた頃は、先輩中心主義ともいうべきか、少なくとも先輩からしたら自分をしっかり持っていないような姿に見えていたと反省したからだ。そんな姿の人に先輩が魅力を感じるわけがないよと。

こんな過程をたどりつつ、わりと長い間自分がふられた理由を考えていた。

先輩にふられた理由は、容姿でも内面でもない。単に合わなかっただけ

しかし、1年経った今、私は、もう別の人と恋愛している。その彼のことを知れば知るほど、この人こそ自分の理想の人だと感じる、本当に素敵な人だ。

私がふられた理由。それは私の容姿がダメだったわけでも、内面が不十分だったわけでもなく、単純に私とその人が付き合うべき二人ではなかったということ。ただそれだけなのだと思う。

1年経って“理想の人”と思える人を好きになり、好きになってもらえて、そのように確信する。

人それぞれ、惹かれる人が違って、偶然揃えば二人は一緒になる。好きになったその人が私が感じるのと同じように、私に対して魅力を感じるかはわからない。けれども、それは私の何かが足りないということではなく、合わないというだけのこと。

1年前の自分に「あなたには、もっとあなたに合う素敵な人と恋愛する未来が待っているんだよ」と伝えてあげたい。