今から約2年前、社会人2年目の秋に、私は5年半付き合った彼と別れた。

彼とは大学1年生のときに付き合い始めた。どんな結婚式を挙げたいだとか、子供は何人ほしいだとか、将来の話もしていた。「何年後かに幸せにできるように頑張る」と彼は言ってくれた。
“絶対にこの人と結婚する”私の頭の中はいっぱいだった。

早く結婚したいという思いでいっぱいだった

私と彼は異なる職種に就職した。
私は福祉関係の仕事に就いたが、ただただ自分の無力さを感じるばかりで面白味が見出せず、自分には合ってないと感じていた。そんな私は、彼と過ごす時間を心の拠り所にしていた。彼も仕事が大変そうであったが、月に2回は会い、旅行にも出かけた。
社会人になり、結婚する友人も増え始めた。大学生のときには“憧れ”だった結婚も、現実のものとして考え始めて良い段階に来た、と私は思っていた。

「一緒に住みたいんだけど」
社会人1年目が終わるころ、私は彼にそう伝えた。
「まだ待ってて」
それが彼の返事だった。

私は、ずっと彼と居たい、出来ることならば早く結婚したいという思いでいっぱいだった。
だから、「まだ仕事が波に乗っていないから」「まだ俺たちは若いから」と言う彼の気持ちが分からなかった。何をもって「仕事が波に乗った」と言えるのか。そんなことを言っていたら、ズルズルとタイミングを逃し続けるだけだ。まだ若いかもしれないけれど、2人で協力して暮らしていけばいいじゃないか。

結婚して家庭に入ることで仕事から逃げたかった

それから半年以上経っても意見は食い違い、数回目かの喧嘩の末、どちらからともなく別れの道を選んだ。

彼と別れてから、約2年。社会人4年目も終わりに近付いた今、私はあの頃の彼の気持ちが分かったような気がする。
いつからか、あれほどつまらないと感じていた仕事に面白味を見出し、自分に何ができるかを考えて真剣に取り組めるようになった。仕事終わりには、仕事に関連する資格の勉強や、趣味の読書に打ち込んだ。彼と付き合っていた頃に犠牲にしていた、友人や職場の同期と過ごす時間も増え、女同士だからできる他愛のない話や買い物を楽しんだ。仕事もプライベートも充実し、「結婚はまだしなくていいや」とさえ思うようになった。

仕事がつまらないと感じていたあの頃の私は、彼と結婚して家庭に入ることで仕事から逃げたかっただけなのだ。

別れたことで、自分の未熟さに気付いた

思い返してみるとあの頃の彼は、今の私と同じように、資格の勉強や趣味の時間、友人と過ごす時間も大切にしていた。まだ若いから、若いうちにしかできない多くのことを大事にしていた。
その中でも、私との時間も大事にしてくれて、将来のことも考えてくれていた。そんな彼に対して、私は“仕事から逃げたい”という気持ちから、彼に依存して自分のわがままを押し付けていたのだ。

彼と別れたことで、自分の未熟さに気付くことができた。あんなに自分のことを思ってくれていた彼と別れてしまったことは悲しいけれど、大切なことに気付かせてくれた彼に感謝を伝えたい。
そして私はこれからも、彼と付き合っていた頃に疎かにしてきた多くのことを取り返していこうと思う。