もうあの人は、私の中で死んだことになっている。
でも、こんなお題だからしょうがない。一度生き返らせて、少しくらい思い出してやろうかと思う。

付き合って1年半後の私の誕生日に、彼から別れを告げられた

付き合う前から別れるまで。いや、別れた後も、私は彼にベタ惚れだった。会社の同期で、同じ部署。同じバンドが好きだったことと、新人研修で一緒の時間が多かったことがきっかけで付き合い始めた。

付き合って4カ月で出向のため遠距離になってしまったけれど、数年で戻ってくるから遠距離なんて乗り越えられると思っていた。戻ってきたら、同棲して結婚。そんなことまで、一人で考えていた。

別れたのは、付き合って1年半後の私の誕生日。一緒にディナーをして、プレゼントの腕時計を貰った後だった。

「申し訳ないと思うし、嫌われたくないけど、一緒にいたいと思わない」それが私に突き付けられた言葉だった(「金券と迷ったんだけど…」と意味不明なことを言われたことについては、ここでは触れないでおく)。

「自分に非があったんだ、自分の悪いところを直せばまた一緒にいられる」そう思って、ひたすら自分の行動を反省し、復縁を目指した。あんな素敵な男性は二度と現れないと思っていた。なんて哀れな自分。

彼が本当に別れたかった理由は、同期と「浮気」していたから

けれど、本当の別れた理由は違った。同じ出向先の同期と浮気していた。衝撃だった。別れた後にあの二人とドライブも行ったし、スノボ旅行だって行った。女のほうは、二人で日帰り温泉も行った。今考えると気色が悪い。あの人たちは、一体どういう気持ちだったんだろうか(知りたくもないけれど)。

その後、彼からは「俺に新しい彼女ができるのを邪魔しないでほしい」と言われた。それはそれは紆余曲折あったのだが、語りだすと本一冊くらい書けてしまいそうなのでこれもまた割愛しよう。

事実を知ってからは、毎朝「憎い」と思って目覚める日々。お風呂に入っていても、気づくと二人のことを考えていて気が休まらなかった。こんなに人を憎んだのは初めてだった。会うことはおろか、名前を聞くだけでイライラが止まらなかった。そしてしばらくの間、人間不信に陥った。みんな平気な顔で、嘘をつくんだなと思った。

彼と別れて気付いた。「自分ファースト」で生きるって最高!

でも、時間というのは良いことも悪いことも忘れさせてくれるもので、時間が経つにつれて、今回の出来事で良かったこともあったなぁなんて思えるようになってきた。

まずは、自分の悪い点を反省することができた。圧倒的に相手に非があるが、それでも私にもいくつか問題があったのだと思う。

そして、人の痛みがより分かるようになったし、友達の大切さも改めて実感した。

自分にたくさんお金を使えるのも最高だ。プレゼントだとかお出かけだとか、余計なお金はもうかからない。圧倒的自分ファーストで今を生きている。

そして何より、今こうして、エッセイのネタとして使えている。あの浮気クソ男も、少しは役に立ったということか。

…ということで、一通り書き出したので、またお墓に入って貰おうか。
さよなら、クソ男。達者でな。二度と私の前に現れるなよ。