上司から突然指摘された、ASD

私は昔から変わっていると言われることが多かった。
親友や友達を作りたくてもできず、気づいたら一人になっていることが多かった。
人と仲良くなりたいのに、上手くいかない理由は何故なのかとずっと考えてきた。

私には「地域活性化に貢献する」という夢があり、夢を叶える過程として営業をやっていた。
私は結構な野心家で、一番を目指したいタイプ。何としても結果を出すぞ、という思いで働いていた。

そんなある日上司に仕事の相談をする機会があった。その際に突然に言われた、「ASDではないか?」と。
社会的なコミュニケーションに困難を抱える障害で、アスペルガー症候群と言ったらわかる人も多いかもしれない。
続けて上司に言われた。空気を読めない発言が多くて、どう考えてもおかしいと。
かつての部下にも私みたいに空気が読めない人間がいたと、そっくりだと言われた。
薄々心の中のどこかで気づいていたからか、とてもショックだった。

医師からの「営業はやめるべき」の言葉、それでも粘り続けた

私の人生はこの一言で大きく変わってしまった。いい意味でも、悪い意味でも。
その一言のおかげで、昔から身の回りの人が離れていく理由、空気を読めない理由が頭の中で合致した。
だから私は、人とのコミュニケーションが上手くいかないんだ、と。やっと気づくことができたと。

実際に、病院に行って軽度のASDと診断された。
医者には、営業はやめるべきだと言われた。それでも、たった一年しか働いてない会社で、辞めるという選択肢は私にはなかった。
自分の出来るところまで限界まで試しててからだと思った。

働き続ける中で、相手のことを理解したくても理解できないことは、苦しくて悲しかった。
クレームを言われることもあれば、上司に罵倒されることもあった。
それでも私の人生にとって必要な事だとどこかで確信していたから続けた。
罵倒されることがあっても、上手くいくことも数少ないけどあったから、なんとか続けてこれた。結果4年ほど。
しかし、もうこれ以上やっても未来が見えないことに気づいた。
そして、気づいたら人とのコミュニケーションが強烈なコンプレックスになっていた。もう、限界だった。
結果辞めることになったが、どんなところで困難が生じるかなど理解するキッカケになったし、営業をしなければ気づくキッカケなど無かったかもしれないから営業という仕事に、そして上司には感謝している。

働くことは、自分探しの旅

夢への過程として営業をしていたが、私は諦めた。
ただ、夢を叶えること自体を諦めた訳ではない。
夢への過程として営業を選択することを諦めただけで、別の路線で叶える道を選んだ。
営業は難しかったとしても、自分だからこその結果を出せる仕事が必ずあると思っている。

一度きりの人生だから、どんな自分であれ夢を叶えるために尽力したい。最大限の功績を残したい。どんなに周りに難しいと言われても、どんなに罵倒されたとしても、後悔だけはしたくない。
私にとって働くことは、天職を見つけ夢を叶える手段を見つける自分探しの旅なのかもしれない。
これからも、私は夢を叶えるために働き続ける。