私の勤め先は祝日無視の土日休みと決まっている。つまり、週5日は出社なり在宅で仕事をする。
もうすぐ社会人になって丸1年を迎える私は残業したこともなく、有給休暇もたっぷり楽しんで恵まれた環境にいる。でも、気がついてしまった。

仕事に慣れてきて、仕事に支配されている日常に気付き始めた

ワーカーホリックなんて当てはまらない私でも、思っている以上に仕事に支配された日常を過ごしている。

在宅勤務の方がリラックスできて好きだけれど、会社に足が向かないなんてことはない。
新卒で入社してすぐの4、5月はとにかく緊張していた。でも、何カ月も経てば業務のこなし方も分かってきた。
新しい環境や周りの人との人間関係なんて、何歳になっても戸惑うもの。なにも職場だから特別なわけではないと思う。
学生の頃だって週5で授業を受けていた。だから土日にしっかり休んで月曜日、のパターンに違和感なんて感じないはずだ。

好きなことを仕事にせず、プライベートと線引きしようと決めたのに

好きなことを仕事にしないと決めて就活した。
だから選考を受けるのは自分の日常からなるべく遠いものを扱う会社に絞った。
例えば、毎朝コーディネートを考えることは大好きだけれどその度に仕事を思い出すからアパレルは除こう、みたいな単純なものだ。だから、週末に自社製品を見て職場での記憶がフラッシュバックなんてこともない。
それくらい強く、仕事と日常を分けることを意識していたのだと思う。

学生と社会人の違いはいくつもあるけれど、私が感じた違いは年数だ。将来ははっきりしないけれど、とりあえず何十年かけて働くつもりで今の会社に入った。安定を求め、その気満々だった。
でも、最近はその時間を思うと支配されているな、と感じてしまう。人生の大半を仕事に費やすのだから。学生生活は短い時間の中で、とても自由だったのだ。
ひとり暮らしをしている賃貸の家賃だって会社から頂く給料だし、立地もついつい職場沿いを選んでしまった。自分の部屋なんてとてもプライベートなはずなのに。結局ばっちり仕事中心だ。
そんな被支配感覚に流されながら1年が経とうとしている。

仕事をしていない時間を充実させればいい

やめよう。
仕事を辞めるのではない。まだ辞めたいと思ったことはない。ただ、週5日×8時間半(勤め先はなぜか8時間半就業だ)に囚われるのをやめる。
残りの週5日×15時間半+48時間を充実させよう。
趣味の時間を楽しもうかな。
次の日を気にして土曜日にしかしなかったけれど、平日の終業後もお菓子作りに挑戦したり、ワイシャツじゃなくてふわっとしたシルクのブラウスを通販で探したい。
充実させるためには、少しはお金が必要だし、働かないとお金は稼げない。どう足掻いても基となるのは仕事だ。でも、そんなことは忘れてしまえ。
こんなことを書いたって、すぐに切り替わるわけではないけれどそっちの生活を私は望んでいる。

結論、働く理由イコール生活を充実させるためのお金である?
そんなに単純じゃない気がする、違う、そう言い切る勇気がないんだ。
そうやって明確に目的が分かっていたら、きっともっと楽に過ごせる。職場で理不尽なことがあっても週末の予定のため、と自分に言い聞かせて乗り切ってしまえる。
「働く理由」がはっきりしている人は格好いい。本当は理由なんて考えないで、向き合わないで一度選んだことだからと済ませてしまいたい。
このご時世、贅沢だけれど辞めようと思えば叶えられる。

残高の減った通帳を見て、日常が充実していることを実感したい

書き連ねていて分かった。私は働く理由が見つけられていないから、仕事に支配されていると感じてしまうのだ。そして理由がないから、辞めようと決める覚悟もない。理由がない理由も持っていない。
じゃあ、働く理由を見つけるために働こう。
試しに終業後のお菓子作りから。高級なバターと卵、黒糖を買って、この前上手く焼けなかったカヌレとクッキーを作ろう。
いつもよりちょっぴり残高の減った通帳を見て日常が充実していることを実感してみよう。そして、果たしてその充実のために働いていると自信を持てるのか、向き合ってみよう。