お風呂に入るのが、面倒だ。
入るのが嫌いなわけじゃない。入るまでが、面倒なのだ。入ったら勝手に体が動いていつもの流れに乗れるから楽だけれど、「お風呂に入る」というのは、自分の意思を持って、自分で自分を操縦しなければならないことで、労力を要する。だから面倒なのだ。

1日の終わりに、どうして頭を使い、自分を律せねばならないのか

仕事や学校や家事を終えた1日の終わりに、どうしてまた、頭を使い、自分を律せねばならぬのだろう。
お風呂が、体を清潔にすることが主目的で、だから1日の終わりに入る、というだけのことだけれど、1日の終わりの私には、「入る」という行動を起こすための労力が、もう残っていない。

何だかひどく悩んでいるかのような、ひどく疲れているかのような文章になったけれど、私は別にこのことで悩んでもいないし疲れてもいない。
ただ、面倒なだけだ。

お風呂に入るのが面倒だと思う原因の一つとして、「お風呂に入る」には、入ってお風呂で体を洗ったりするのとは違い、自分で自分を律する労力が要るからだと冒頭で述べた。
それに加えて、私はもう一つ原因があると思った。それは、お風呂に入る前、入っている時、出た後にやることが多いからというものだ。
いや、多すぎると言ってもいいかもしれない。とにかく多い。特に、高校生から大学2年生頃の私は、多かった。

髪が短くないことが多い。乾かすだけで15分から20分かかる

今風に言うと、「お風呂ルーティン」だろうか。
私の、お風呂前後、お風呂中に、やることが最も多かった時の、お風呂ルーティンをご覧いただきたい。

まず、湯船にお湯を溜め、入浴剤を入れる。その前に、着替えとバスマットも準備する。
服を脱ぎ、アイメイクだけを落とす。
浴室に入ったら、シャワーが温かくなるまで出しておき、自分はメイク落としで顔全体のメイクを落とす。

シャンプーをし、リンスをし、その間に体を洗う。
湯船に浸かる。口を大きく「あいうえお」と動かす体操などをし終えたら、湯船から出る。リンスを流し、首と背中をまた洗う。

次に、浴室から出たら体を拭いて服を着、顔だけはティッシュで水分を拭う。
手を洗い、化粧品、乳液をつけ、それが乾いたら乳液を再びつけ、顔と首のマッサージをする。

それが終わったら、髪にヘアオイルを付け、ドライヤーで乾かす。
私は髪が短くないことが多いため、15分から20分はかかる。

やることが多すぎる。よく5年間も、これを続けたものだと感心する

これでようやく、私の「お風呂」が終わる。やることが多い。
よく5年間も、これを続けたものだ、と自分に感心するし、これだけあったら、そりゃお風呂が面倒になるよなあと思う。

先にも書いたとおり、私はこれを、大学2年生頃まで続けていた。けれど、ちょうどその頃に体調を崩したこともあり、私は湯船に浸かることや、顔の体操やマッサージをやめた。やめれば、お風呂に入るのが面倒じゃなくなると思ったからだ。

結果としては、はじめの頃は、お風呂がびっくりするくらい簡単になって、確かに、少しは面倒じゃなくなっていた。けれど、お風呂の回数が増えるにつれ、その感覚は薄くなっていった。

しかし、その頃は体調が優れていなかったため、それも原因かもしれないと思い、その頃からしたら体調がいい今は、どう思っているのか振り返った。
やはり、面倒なのである。ここまでお風呂を簡易化してもなお、お風呂に入るのは面倒なのだ。

私にはもう、髪を短くするしか、方法はないのだろうか。