これが普通って必死に思わなきゃ心が保てない恋愛をしていた。

彼は大学時代から飲み友達で、お互いの地元の友人や社会人になってからは会社の同期までも一緒に交えて飲む仲になっていた。3ヶ月に一回はどちらかが連絡をして、何人か連れて飲みに行く、そんな関係だ。

良い飲み仲間関係であったとは思う。お互いにお互いを異性として見ていなかったし、私には大学時代から付き合っている彼氏がいた。
しかしある時私は彼氏とうまく行かなくなり、別れることになった。飲み会の席でそのことをみんなに話すと「もっと良い人がいるよ」とか「別れて正解」と励ましてくれたのを覚えている。

私が大学を卒業するタイミングで当時の彼氏は卒業出来ず、卒業したのは1年半後で、卒業後は就職せずにバイトをしたりしなかったりした。

段々と歯車が噛み合わなくなってきているのがわかった。一緒にいても気を遣って会社のことを話さないようにした。社会人の友達と仕事の愚痴を話したり、飲み屋で知り合った見知らぬサラリーマンと話している方が楽しく感じてきていた。

就職しないのは私のせいなのか?と考えることもあった。一回突き放してみたら、就職しようという気になるのでは?と思ったこともあり、別れるという道を選択した。

元彼にまだ未練。しかし振り切られて新たな彼へ

別れてからも飲み友達の彼とは定期的に飲みに行っていた。別れて間もなく飲みに行った時に、解散した後、「付き合って欲しい」という内容のLINEが来た。私のことを好きなんて思ったことが無かったし、酔った勢いで冗談を言ったのだろうと思い、軽くあしらった。

それからも飲みに行くたびに周りから「2人お似合いじゃん」とか「正直どう思ってるの?」とか聞かれるようになった。不思議と少しずつ意識をするようになっていったが、私の中ではまだ彼はただの飲み友達でしかなかった。

誘われて2人で飲みに行ったり、ドライブに行ったりするようになって、デート4回目で対面できちんと告白された。正直驚いたのはもちろん、まだ別れた彼氏のことを引きずっている状態でもあったため、その場では「考えさせて」と回答をした。

私は寂しくなると別れた彼氏にしょっちゅう電話を掛けていた。ある時から嫌気が差してきたのだろう「もう掛けてこないで」と言われるようになった。私がやってることは、とても身勝手で相手を傷つけていただろうと反省した。

突き放された気分になった私は、自分を求めてくれている人と一緒に居ようと思うようになった。保留にしていた飲み友達の彼に電話をし「付き合ってください」と伝え、交際が始まった。

いわゆる平凡カップルの生活。何故か私は彼の家では寝れないことが多い

お互い一人暮らしだったので、週末はどちらかの家に泊まって過ごしていた。仕事が忙しく、休みが少ない彼とは土曜の午後から会って、日曜の午前中に解散というデートが常だった。

あっという間に1年が過ぎた。彼とは会ってご飯を食べてただ寝るだけという生活が続いていた。しかも原因は分からないが、何故か私は彼の家では寝れないことが多かった。

この頃から付き合うってこんな感じだったかな?と疑問に思うようになってきた。別れた彼氏とはデートの前の日は「明日会えるんだ」とワクワクしたし、当日も「早く会いたい」などとお互い言い合ったりしていた。

そんな交際をしてきた私からすると次の彼との交際は刺激の無い、つまらない日々であった。「平凡なカップル」だったと思う。それは決して悪いことではないし、寧ろ人によっては理想とするカップルの形かもしれない。
しかし私には耐えられなかった。好かれてる気がしないし、付き合ってる意味が無いとも感じてしまった。

何度か自分の考え方がおかしいのでは?と疑ってみたことがあった。前の彼との関係は異常であり、今の彼との関係が「普通だ」と思い込んで過ごしてみた。しかし、そう考えていると「将来もこのままなのか?」「この冷め切った関係のまま生活していくのか?」と不安が募るばかりだった。

感情を持って彼が好きと言える人と一緒にいたい

ちょうど、不安を抱えていた時期に前の彼から「就職が決まった」と突然電話が掛かってきた。凄く嬉しくて泣きそうになったのを覚えている。その電話で「お祝いしよう」と咄嗟に出てしまった。

お祝いはすぐに実現した。スーツで登場した彼は「きちんとした格好で報告したかった」と言っていた。帰り際改札で突然抱きしめられ、「ヨリを戻したい」と言われ、その日から復縁することになった。

翌日、私のきもちが冷め切った彼氏に電話をし、急に別れを告げた。ヨリを戻した彼から何も言われなかったら、別れていなかったかもしれない。けれど一生この生活をしていくのは無理だと思っていたから、いつかは別れが来ていたのかもしれない。

これが私の振った理由。