13時に駅集合。期間限定のパンケーキを食べるために、いつも行かないような場所のお店に向かった。

大抵だったら混んでいるであろう店内も年始だと空いていて、すんなり席に座れた。

彼とデートするために自分磨き頑張ってるんだ。だから、私は可愛い

まわりには、カップルと思われる男女二人組が多数だった。

二人とも同じ苺のパンケーキを頼む。「今日の格好、めっちゃ可愛いやん!」と言われた。黒のレースのワンピースで、珍しく髪も巻いている。

「そうなの、今日の私は可愛いんです。当たり前でしょ。今日のために数週間前からお風呂上がりストレッチをしているし、前日にはヘアパックもフェイスパックもした。服は何を着ようかうんうん考えた」。その結果、私は可愛いのだ。

食べて終わって店を出て、近辺の服屋を周る。正直舞い上がってしまって、何をしたかとか、話したとか、考えていたとか、何一つ覚えていない。ぼんやりとそういえばラーメンを食べた? あ、呑み屋に行った。地元の。そう、お酒をたくさん呑んだ。呑んじゃったのよ、あれほどハメを外してはいけないと心に決めていたのに、あれよあれよと呑んだ。そして大いに酔った。お会計はどっちがしたんだっけ、「いつもの公園に行こう」って言い出したのはどっちだっけ。そして、あーあ、しちゃったよキス。

恋人でもないのに「曖昧な関係のまま」私たちはキスをした

女友達に「関係がまだ曖昧な時にキスはするなよ」って言われた。どっちからしたとか、ないよ。そういう時ってあるじゃない。それだったのよ。「○○さんって私のこと好きになること、ないよね」と、考えているだけだと思ったら、声に出ていた。

そうなのだ。恋人でもない女に、簡単にキスをさせるような男なのだこいつは。長く黙ってから彼は「そうだね。まだ元カノのこと忘れられへん」とこたえた。

ああ、でもキスは良いんだ。押し倒したりでもしたら、そのままエッチでもしてくれそうだな。正直、彼とこういうことは、初めてじゃない。長らく続いていた。

よく言い出したよ、私。すごいよ私のために。困難を乗り越えて前に進むとか、そういう言葉、好きじゃないけど。でも、今回は私のためになったことだと思う。涙が出た。そら出るわ(しかもwin-winだと思っているのが、私の悪いところだと思うけど)。

元カノへの未練がなくなるまで待てない。私の時間と容姿は有限だから

そしたら「元カノに未練がある」と言う。「俺クズなのかな?」って彼が聞いてくるから、私は「うん」ってこたえた。「元カノのこと忘れられるまで待っててくれる?」という問いに、「良い人がいたら迷わずそっちにいきます」と言った。当たり前でしょ。私の時間と容姿は有限なのだから。泣きながら家まで歩いている間、彼はずっと一緒にいてくれた。

「ごめんなー、ごめんなー」と言っていた。家に着くと、私の帰りがどんなに遅くても母が起きているので、泣いたのを悟られないように「ただいま」と言う。

でも、部屋に入ってから声を上げて、また泣いたのでバレている(何も言わないでくれてありがとね)。ああ明日は大学よ。落ち着いてから風呂に入り、泥のように寝た。夢は見ていない。そうなの、今日も私は可愛いんです。