私が働く理由は、自分の意志で選択し、生きていくためだと思う。

働いている母は加えて、「リスク回避のためでもある」と答えた

小さいころ、テレビの街頭インタビューで、将来の夢について調査していた番組を観た。
その時、たまたま質問に答えていた女性が、結婚して専業主婦になるのが夢だと答えていた。
そんな選択があることに驚いた。でも、なんだかもやもやした。

私の両親は共働きだ。母が働いている姿をよく見ていた。
忙しそうだし、大変そうだ。でも、母は強くて逞しく見えた。
そんな母に働いている理由を聞いたことがある。現実的に生活のためという回答だったけど、母は加えて、リスク回避のためでもあると答えた。

自分で稼げる手段を持っておきなさい。それが自分自身と愛する人を守るための手段にもなるからだと母は言った。生きている限り、お金はかかる。

母の言葉は、自分の中にすっと入ってきた。
好きなように、好きな人と生きていくために、私は働きたいと思った。
もちろん、生活のためでもあるけど、自分の人生を自分の手で、切り開くために必要なことだと思ったからだ。

独身の間にやりたいこと、興味があることに投資すべきだと母は言った

自分が稼いだお金をどう使おうと誰にも文句を言われることはないし、何かあったときに自分で対応することができる。相手の稼ぎを頼りにすることや、変に気にすることもなくなる。

お金のことを理由に、選択肢を狭めたくないと思った。

経済的な面でも、精神的な面でも、母自身がその身で自立というものを見せてくれていたのだと思った。そして母は、独身の間に自分の稼いだお金で、自分のやりたいこと、興味があることに投資するべきだと言った。

女性として生きている限り、結婚や出産という選択をしなければならない時がくる。
場合によっては今の仕事を手放したり、中断したりする必要がある。正直怖い。
でも、その選択をするときに自分自身で稼げる能力や経験があれば、それほど怖がることではないのかもしれないと思える。

母は、結婚というのを機に当時働いていた会社を退社した。そして妊娠と出産を経て、自営業という形でまた働き始めた。会社で働いていた経験が活かせていると母は言った。自分の身近にお手本となる人がいた。

今、自分自身の働くことに対する考えが変わってきている

私は、経済的に自立して生きていくために、正社員という雇用形態を選んだ。
お給料とか福利厚生とか、そういう面を考えると正社員がいいと思ったからだ。
会社勤めしているおかげで経験できること、学べること、つらいこともたくさんあった。
正社員として働く経験を持てたことは、本当によかったと思っている。

だけど、今は別に正社員でなくてもいいのではないか。と思うようになってきている。自分が生きていくのに足りるくらいを、自分で賄えるようになれば、雇用形態にこだわる必要はない気がする。今、自分自身の働くことに対する考えが変わってきている。

とはいえ、まだ少し不安な気持ちはある。正社員として働いてはいるけど、目に見える大きな成果があるわけじゃないから、自信を持てない。だから、自分自身何ができるのかを模索している。

だけど、どんな形であれ、私は働き続けたいと思う。
私が、私の意志で生きていくために。自分と相手の意志を尊重できるようにするために。