学生時代、わたしはヤンチャな女子グループに目をつけられていじめられていました。
代表格の子のお兄さんは地元では有名なワルで、よーいどんの合図で、クラスのほとんどから無視されるようになりました。担任の先生も、その子達が怖いのか見て見ぬふりでした。
いじめが始まり、なぜ彼氏が私との付き合いを秘密にしたいかわかった
いじめが始まる少し前、わたしには告白されて付き合った男の子がいました。
その男の子は、もともといじめグループの一人と付き合っていたひとでした。
わたしはその男の子と仲良しで、テレビの話とか音楽の話しで教室でもよく盛り上がっていました。お互いケータイも持っていたので、放課後もメールのやりとりをしていました。
告白されたのはメールでした。「俺はずっと、お前のことが好きだった」「付き合ってほしい」「でも、なにかあるといけないから、付き合っていることは周りにしばらく内緒にしよう」と言われました。
そのときは「なにかある」の意味がわからなかったのですが、いじめが始まったときに「このことだったんだ」とわかりました。
あるときは絵の具セット、あるときは教科書、あるときは靴が無くなりました。
学年中に「アイツいじめようぜ」という号令がかかり、無視されたり、陰口を叩かれたり、すれ違いざまに暴言を吐かれることもありました。
彼氏の家に行き誘いを断った数日後、周りに内緒のまま関係は終わった
そしてついに、わたしは体育館の裏に呼び出されました。
その頃わたしと普通に接してくれるのは、親友と彼氏だけでした。
親友も彼氏も一緒に行くと言ってくれました。でも負けたくない気が強くて、一人で向かいました。
体育館裏では、彼氏の元カノに「泥棒ネコ」と言われました。「泥棒ネコ」と言われたのは、後にも先にもこの時だけです。
「本当に言う人いるんだ」と口元が緩んでしまって、「笑うんじゃねー、馬鹿にしてんのか」と怒られたのを覚えています。
ゴールデンウィーク初日、初めて彼氏の家に行きました。初めて男の人の部屋に入って、初めてギターを触らせてもらって、初めてキスをしました。
「セックスしよ」
キスだけでいっぱいいっぱいだったわたしは、「また今度ね」と断りました。
数日後、メールで「友だちに戻ろう」と言われました。周りに内緒の関係は、周りに内緒のまま、終わりを告げました。
彼氏がいじめグループの一人と復縁した理由は、きっと私を守るため
ゴールデンウィークが終わって学校が始まると、元カレは、いじめグループの一人とヨリを戻していて、わたしはいじめられなくなっていました。
「わたしを守るために、わたしと別れて、ヨリを戻してくれたんだ」
ずっとずっと感謝の思いでいっぱいでした。
大人になって、元カレと二人で会うことがありました。
酔った勢いで、ずっと聞きたかったことを聞いてみました。
「あの時、どうしてわたしと別れたの」
すると、思いもよらない一言がかえってきました。
「だって、お前やらせてくれなかったから」