特集:ふった理由、ふられた理由

私だって、あなたが一番じゃなかった。「愛が薄い」って、フってくれてありがとう

ふった理由、ふられた理由

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愛が薄いんだね、別れよ
それだけ言われてわたしはフラれた
愛って薄いとか厚いなんてあるんだっけ
薄いと濃いだっけ重いだっけ
薄いの反対ってなんだろ?
愛が薄いんだね、その言葉が頭の中で反響して、返事をする前に電話が切れた。かけ直さなかった。

自慢の彼だったけど。お土産じゃなくて一緒にいる時間がほしかった

歳上で身長が高くてスポーツマンな彼。海外出張も多くて、仕事もできる彼。だけどどこか違うなって思ってた。ケンカしてふてくされてたらキスすれば機嫌が良くなると思ってるところなのか、身体は大きいのに気が小さいところなのか。
結局最後まで分からなかった。

付き合い始めたのは小さなきっかけだった。
同じ大学出身で、話が盛り上がって、なんとなく流れで付き合った。お洒落なレストランにも行ったし、ディズニーランドにもいったし、買い物をしてカフェで話したりもした。どこにでもいる普通のカップルで、自慢の彼氏だった。

12月、クリスマスより2週間も早いデートで、
「俺、今度は中国に行くからクリスマス会えないんだ」。
そう言って渡してくれた早めのクリスマスプレゼントのネックレスは嬉しくてずーっと着けてた。
年が明けて、帰国の日を教えてもらって空港にきてって言われたから会いに行ったら「このまま九州に乗り継ぐんだ、実家帰るから」ってお土産だけもらった。わたしは寂しくてしょうがなかった。1ヶ月も会ってなかったのに、空港の乗り継ぎ時間しか会えないんだ…。

それでもわたしは可愛くなかった。寂しいなんていえなくて、強がるしかなくて、子供だと思われたくなかった。「久しぶり、おかえり。忙しいんだね、お土産ありがとう、いってらっしゃい」これくらいしか言えなかった。
「俺と付き合ってれば毎回お土産いっぱいだよ」って言われたとき、笑顔で楽しみって言いながら、心の中ではお土産より一緒にいる時間作ってよって思ってた。

追いつきたくて、頑張った。だけどその分、彼との距離は開いていった

私も海外が好きだった。飛び回ってる彼がキラキラしてて、羨ましかった。私も一緒に行きたかった。だけど、邪魔しちゃいけない、と思って言わなかった。
彼が海外に行っている間にわたしは一生懸命勉強して、2月に留学に行けることになった。たった4週間だけど、行く前に仕事の引き継ぎや、挨拶などやることは山積みだった。
私は私のことでいっぱいいっぱいになった。毎日が時間との勝負で、1つ1つ片付けるしかなかった。

1月、彼はヨーロッパに1週間出張だった。忙しい中、何とか時間を作ってカフェで話した彼は「お土産買ってきたけど、持ってくるの忘れちゃった」と笑った。
そのあと何度かカフェデートしたけど、お土産をくれることはなかった。

「別れよ」。返事も待たず切れた電話。ホッとした自分がいた

1月最後の週はあっという間にやってきた。
私は今までと比べ物にならないくらい忙しくなった。
そんなときに電話が鳴った。

「もしもし、俺だけど」
「もしもし、久しぶり。」
「今週はいつ会えんの」
「ごめん忙しくて。手一杯なの…会えない…」
「これから4週間も会えないのに一度も会わずに行くの?それでお前はいいの?」
「ほんとにごめん、でも今は忙しくて時間が足りないの」
「ふーん、愛が薄いんだね。別れよ」

切れた電話。返事すら出来なかった。

それでも、こんなことでフラれるくらいならいらない、そう思った。
強がりでもなんでもなく、彼の中の優先順位で私が1番じゃなかったみたいに、私の中でも彼が1番じゃなかった。わたしはもっと強くなって、1人でも生きていけるようになりたいんだ。
そう気づいた時に、ホッとした。
フラれてよかった。強がりじゃなくそう思えた。

私は自分と自分の考えと生き方を大切にしていこう。
私を尊重して、高めてくれる人と一緒にいよう。そう気づくことができた。
まだ頭の中で最後の言葉が反響している。

フってくれてありがとう。

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