今日、私は世界で一番悪い所業をしてやった。
マックをウーバーイーツして、それをベッドの上で食べてやったのだ。

遅すぎる昼ごはん?おやつ?なんて悪いんだろう

まず、マックは歩いて十五分のところにある。
歩いたらあっという間だ、しかも今日は暖かかった。春の訪れを感じるような穏やかな日だったのに、手数料のかかるウーバーイーツを使ったのである。

しかも時間は十六時前。もう少し空腹を我慢して、晩御飯まで待てばいいのに、頼んだのだ。これはなんだ、遅すぎる昼ごはんなのか?おやつなのか?
なんて悪いんだろう。

ちなみに、頼んだのはバーガー1、ポテト1、ナゲット1だ。
セットで頼めば安く済むのに、ポテトとナゲットが両方食べたかった。全部単品で頼んだソースはマスタード。実はプチパンケーキもかなり悩んだのだが、流石に思いとどまった。サラダなんかは必要ない。 

何より私は昨日二十二時に寝たのだ、今朝起きたのは八時。十分すぎる休息をとった。
本来走り出せるほどのエネルギーが有り余っているはずなのだ。
それでも一日ベッドにいた。家の掃除も特にしていない。申し訳程度に本は読んだ。読書したら少しの怠惰はペイされる。

ベッドで食事?「まあ、いっか」

スマホ画面を見ると、ウーバーの自転車のアイコンがすぐ家の前まで来ていた。
非常に可愛い。このアイコンが自分の元へ向かってくるのが見たいが為にウーバーイーツを頼んでいる人もいるのではないだろうか?
デザインした人は誰ですか、拍手を送りたい。ありがとう。

ピンポンとチャイムが鳴る。
私がウーバーイーツを頼んだのには理由があった。ベッドを抜け出し、机で食事をすることにより、エネルギーの補給と、アクティブスイッチを入れようと考えたのだ。
机に向かうというのは、その日一日重力に無抵抗で居続けた人間にとってはものすごい進歩であり、人が誰からも買えないもの、自らの中から湧き出るのを待つしかない非常に尊いもの、その名も「やる気。」スイッチを入れるのだから大変な重要ことである。

玄関の扉を開ける。爽やかなイケメンの配達員さんだった。ウーバーイーツの受け渡しは一瞬である。こちらも爽やかに部屋へ舞い戻り、ダイニングに向かおうとした。
しかしここでおかしなことにベッドに吸い込まれたのである。
おかしい!私の力じゃなかった。ものすごい引力が働いた。気がついたらベッドにいたのだ。

ベッドで食事?それは風邪を引いたものだけの特権では?
確かに生理中で本調子ではない。かと言って、机に向かえない程ではなかった。
しかしここには誰もいない、私しか居ない。
そうすると頭によぎる言葉は一つである「まあ、いっか」
まあいっかである、まあいいのだ。

晴れの日の、休日、夕方の、健康な成人女性のベッドの上の食事。
理由=面倒だから。十分だろう。

ああ、幸せな一日だった。そう言って、自分を許してあげたい

ここに実はオプションがある。
ipadを持ち込んでおり、そこでずっとアイドルのyoutubeチャンネルを流しっぱなしなのである。
くう、我ながらとんでもない。アイドルを見ながらベッドで食べるマック、信じられないくらい美味い。

五分で完食した。こぼさずに完食できた。さすが大人である。

そうして再びアイドルに目を向けて、いつの間にか少し眠っていた。
極悪非道。
目が覚めてからやっとスイッチONしたので、諸々小さな作業をした。図書館も行って期限内に本を返却した。
しかしあまりにも一日を無為に過ごしている気がしたので、このエッセイを書いている。エッセイを一つ書くことでも私の怠惰はペイされる。

さて、あまりにも内容のない文章だったと思うが、ここで一つ聞いてみたい。
私の今日一日は、本当に無駄だったのだろうか。
そもそも人が生きていて、この日はOKこの日はNGというラインはどこなのだ?そして誰が決めるんだろう。で、そのNG日がなんだって言うんだろう。

ああ、幸せな一日だった。
そう言って、自分を許してあげたい。明日はきっと、今日を取り戻すように必死に働くんだろうな。