「世界で一番美しいのは私だ」と、胸を張って言えるようになったのは、最近のことだ。客観的に見て、自分が美しいのか、そうでないのかは正直分からない。

ただ一つ言えるのは、周りの評価は関係なく、私は私が美しいと心の底から信じている。

自分の顔が心の底から「好きだ」と思えなかったから、私は整形をした

半年前、私は整形をした。重たかった瞼から脂肪を取り出し、糸で引っ張って二重にした。
施術中の麻酔は良く効いたが、ダウンタイムの痛みどめはなぜか効かず、しんどい思いをした。

それでも、可愛くなるための試練だと思えば、痛みよりも乗り越えてやろうという気概が勝った。大学の課題を終わらせるため、施術直後の腫れた目でパソコンと睨めっこしたのはいい思い出だ。

整形に踏み切った理由の一つは、自分の顔が心の底から好きだと思えなかったからだ。冗談で言われる「ブス」という言葉は、私の自信を刈り取るには十分で、マスクを取るのが怖くなったこともあった。

周りから、自分はどう見られているのかが常に気になって、自分の表情を意識的に管理するようにもなった。瞼が重くキツい目をしていた私は、大好きなフリフリのスカートはどうしても似合わず、試着室でため息をつくだけで終わった。

自分のしたい服装より、自分に似合う服を選んで、自分の好きな可愛らしい小物より、暗めの落ち着いた物を身につけた。それが、正しいと信じていた。この世には可愛い人しか許されない服装があり、自分に相応なものを身につけることが正しさであると。

期待に満ち溢れていた整形後、私は絶望感と少しの安堵感に包まれた

今だったら甚だおかしいと分かるが、半年前の私は整形をしたら、全てが劇的に変わると信じて疑わなかった。

期待に満ち溢れていた整形後、私は絶望感と少しの安堵感に包まれた。何も変わらなかったという絶望感と、何も変わらなかったという安堵感。私は、自分が自分のままであったことに安堵したのだ。

その瞬間、私の中で憑き物が落ちた。周りの評価に振り回されているのがバカらしくなって、自分が自分でいることを全肯定できるようになったのだ。やりたいことをやって何が悪い、したい服装をして何が悪い。

半年前は、外に出れば誰かに何も言われることはなくとも、視線が怖かった。ブスなのにそんな服を着て似合ってないと、思われているのではないかと。

性格も外見も美しさも「十人十色」。私の中の美しさは、私が基準だ

私は今、フリフリのスカートを着て堂々と歩いている。時には、髪を派手に巻いて、強めな格好に発色の良い赤いリップをひいて。常に自慢の自分である。

自分に自信が持てるようになり、自然と笑顔でいることが多くなり、「愛嬌があって可愛いね」と言われることが増えた。他人の評価は気にしないと言っていても、褒めてもらえることは、やはり嬉しい。

かつては自分を傷つけていた「ブス」という言葉も、今では簡単に跳ね返せるようになった。他人の考えや価値観で、美しさの基準を決めるのはもったいない。性格も、顔も、体も、美しさも、十人十色でいいではないか。私の中の美しさは、私が基準だ。

「かがみよかがみ、世界で一番美しいのは私でしょ？」たとえその答えが、私でなくとも、私は胸を張って「世界で一番美しいのは私だ」と心の底から思う。