服は「自分らしさ」を表現するひとつのツールだと思う
“レディース”と“メンズ”で分けられている服。
それぞれその性別の人が似合うようにデザインされているし、たとえば、シャツの前ボタンが右についているのか、左についているのかとか、女性と男性でルールがあったりする。
そうやって男女で分かれている服だけど、私はメンズの服を着ることもある。
理由は簡単で、その服が素敵だと思ったから。
仕事やマナーが強く干渉しないプライベートな場だったら、誰かに迷惑をかけない限り自分が着たい服を着るのが正解だと思っている。
それがレディースでもメンズでも。
そうやって自分が自分らしくあるために、服を選ぶ人が大好きだし、もっと増えてほしいと思う。
メンズの服を自分のために買うとき、どうしてもドキドキしてしまう
学生の頃、かわいいと思ったカーディガンがメンズだった。
自分のために買おうとレジに持っていったら「プレゼント用ですか?」と聞かれ、思わず「はい」と答えてしまった。
反射的に答えてしまったのもあるけど、「プレゼントですか?」と聞かれてしまった手前、なんとなく自分用だと言えなくなった。
店員さんは親切心で聞いてくれただけで悪意はないんだろうけど。
それからしばらくは着たいと思うメンズの服を見つけても、レジに持っていくのが億劫になってしまった。
今でこそ、「このメンズのニットは女性にもおすすめ!」なんてセールスコピーをつけたチラシを見ることが増えたから、あの頃に比べてかなり買いやすくなった。
店員さんと話しながら買うときは「このメンズのお洋服、素敵すぎるから私が着たい!」と先に言うことで、プレゼント用と聞かれなくて済む技も身につけた。
でもあの日の「プレゼント用ですか?」の一言は今でも心に残っていて、メンズの服を自分のために買うときは、まだドキドキしてしまう。
店員さんは良かれと思って聞いてくれる分、余計に。
だからこそ、フラットに買いやすい“ユニセックス”の服がもっと増えてほしい。
着れない理由が「レディースの、メンズの服だから」にならないように
私が考える理想のユニセックスは、シンプルでフラットなデザインのものというより、女性らしいフェミニンな服も男性らしいかっちりした服もちゃんとサイズが揃っている服。
シンプルで誰でも着こなしやすい、と言うのも大切だけど、それだと服を楽しむ余白が減ってしまう気がするから。
“ユニセックス”という括りにすれば、男女ともに「かわいいけど、レディース(メンズ)かぁ…」とがっかりすることが減ると思うから。
もっと言うと、ヒールだって男性が履いたっていいと思う。なんなら昔は履いていたんだし。
スキニーパンツにヒールを合わせた男性とか、めちゃくちゃかっこいいと思う。
“ユニセックス”“レディース”“メンズ”。
レディース、メンズの括りを超えて、みんなが好きな服を着られるようにもっと“ユニセックス”の服が増えてほしい。