洗濯が結構好きだ。
私と一緒に頑張ってくれた服が綺麗になって、太陽の下、誇らしげにさわやかなシャボンの匂いをまとっているのが、なんともいえず良い。

年に2回の衣替え。清潔な衣が風に舞う様は、やっぱり気持ちがいい

乾いた服を家族みんなの分を仕分け、タオルをしまい、自分の服をタンスに押し込んでいくのも、もっとキレイに整頓できないかなぁなんて思いつつも、どうにも嫌いになれない。

そんな私にとって、年に2回の衣替えは割とビックイベントだったりする。
いつもはゴールデンウィークに時間をかけてやるけれど、去年袖を通さなかった春服の手持ちを確認したいし、今年はもう暖かいからセーターも着ないでしょう。
だから、今週は大好きだけど、うんとかさばるセーターを全部洗って仕舞ってあげることにする。

セーターの整理は2日がかり。
まず土曜日、ちょうど切れていたから、近所のスーパーにおしゃれ着用洗剤を買いに行くところからスタート。
いつもなら車で行っちゃうけれど、今日は天気もいいし桜も綺麗だから、お花見がてら母とお散歩。帰って来たら早速、色ごとに分けて洗濯ネットに入れて、買いたてホヤホヤの洗剤を投入! もちろん、おうちクリーニングコースでね。

1時間後に干したら、色とりどりの私のセーターたちが、光を浴びて嬉しそうに踊っている。「春過ぎて夏来にけらし白たへの 衣干すてふ天の香具山」なんて詠まれたように、清潔な衣が風に舞う様は、やっぱり気持ちがいい。

ここは香具山ではないけれど、さわやかなみどりの風。うん、今日はこれでおしまい。

私のセーターたちに愛を込めて。今年もたくさんありがとう

日曜日、きれいに乾いたセーターを1着ずつハンガーにかけて、まずは洋服ブラシで毛並みを整える。父のクローゼットから拝借した面の広いブラシを優しく…いや、結構手荒かな…ザッザとかける。

そうして干した時についた塵をとってあげたら、100均の毛玉取り器の出番。ヴィーーーーーンと存在を主張する相棒を、編み目に沿って優しくすべらせていく。決して布地に押し付けないように、でもある程度の「圧」も大事な、根気と集中力が必要な場面。
だいたい袖の身頃側とボディの縫い目のあたりに毛玉ができやすいから、そこは重点的に。

そうやってセーターとひたすら向き合ううちに、ニホンザルの毛づくろいのことを思い出した。

サルの毛づくろいはノミとりじゃなくて、毛づくろいをしてあげる相手への親愛の情を示すんだとか。じゃあ私は、私のセーターたちに愛を込めてみよう。

今年もたくさんありがとう。あのスカートとの組み合わせ、最高だったよ。来年はあっちのパンツとも合わせてみようね。これからもよろしく。

目の前のものを丁寧に大切に扱う。まずは出来ることから始めたい

この毛づくろいは、セーターたちへの愛でもあるし、来年またこの子たちを着る私への愛でもあるし、ここでさよならする子たちへの感謝の愛でもある。そうやって一着ずつ向かい合って、ありがとうをしっかり伝えて、来年も着る子と衣類回収に出す子に分けてあげる。「来年もよろしく組」は圧縮袋に入れて衣類ケースに仕舞って、それでセーターはおしまい。

ハンガーラックとタンスがいい感じに空いたから、春の子たちを登場させて、今週はこれでオッケー。ちょっと良いことした気分。SDGsとかサステナビリティとか、そんな難しいことはすぐにできなくても、目の前のものを丁寧に大切に扱う。そういうところから始めたいよね。

さて、日曜日の午後はこれから。髪をとかしてメイクをして、クローゼットの新たな仲間、春色のワンピースを探しに出かけよう。